航空機攻撃用の火砲(大砲)。第一次世界大戦に出現した航空機がしだいに発展を遂げると、これに対応する対空火力として高射砲が新たに登場した。艦艇では、かつては高角砲とよんでいたように、高い射角をかけて射撃を行う火砲であり、従来の砲にはない機能が要求される。すなわち二次元の射撃(距離、方位)から三次元の射撃(距離、方位、高度)の技術開発が促された。高速度の航空機に対応するため、高初速で、続けざまに弾丸を発射できる。発射速度が大きく、しかも動作の機敏な砲であり、有効に作動する信管、より速く目標を捕捉(ほそく)する装置を要する。以上の要求を満たす砲の開発に各国ともしのぎを削ったが、1936年イギリスのロバート・ワトソン・ワットによるレーダーの発明、第二次世界大戦中に開発された電波応用のVT(近接)信管などが高射砲の性能を著しく高めた。しかし、航空機の目覚ましい発達は、またたくまに高射砲の性能をしのぎ、対空ミサイルが登場する。だが低空の対空火力としての高射砲は必要不可欠で、現在はレーダーとコンピュータを装備した高性能の高射砲が用いられている。
[猪口修道]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…重砲の発達により姿を消した。 高射砲航空機を射撃するために砲身を高射角にでき,かつ全方向に旋回できるようにした砲架を持つ火砲。第1次大戦中に出現し,航空機の発達とともに性能は向上したが,1960年代に口径75mm以上の高射砲は対空ミサイルにその地位を譲った。…
※「高射砲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新