金環(読み)キンカン

精選版 日本国語大辞典 「金環」の意味・読み・例文・類語

きん‐かん‥クヮン【金環】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金製の輪。また、金色の輪。多く装飾用のものをさす。
    1. [初出の実例]「耳に下げたる金鐶(キンクヮン)をはづして」(出典:宝の山(1891)〈川上眉山〉五)
    2. [その他の文献]〔詩経‐邶風・静女〕
  3. 古墳時代に用いられた環状の金属製耳飾り。径二~三センチメートルで一方に切れ目があり、銅環を金属板で包んだものが多い。
  4. 月の光をたとえていう語。
    1. [初出の実例]「金環多落黄輿上。玉鏡高瑩玄盖中」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)三・対月独詠〈大江匡房〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「金環」の読み・字形・画数・意味

【金環】きんかん(くわん)

こがねの輪。指輪腕輪。魏・曹植〔美女楽府 袖を攘(かか)げて素手を見(あら)はせば 腕に金

字通「金」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の金環の言及

【装身具】より

…この新しい波は,一部は農民にも及んでいる。農民を表現した埴輪には環状の耳飾を着装したものがあり,その実物である金環と呼ばれる耳飾が,後期の群集墳から出土することも少なくない。 日本の装身具の歴史は,古墳時代をもってひとまず終局する。…

【耳飾】より

…弥生時代に耳飾を用いた例は,まったく知られていない。 古墳時代中期後半から,朝鮮半島から鎖で垂飾をたらした細い金環がもたらされ,6世紀後半には金めっきした銅の棒を環状に曲げ,一方に切れ目のあるものが全国的に用いられる。なかには中空の金製もあり,銀めっきしたもの,銅だけのものなどもある。…

【山本薩夫】より

…骨太の作家精神を貫く〈社会派〉の巨匠として,以後も,政財界の深層をえぐる《華麗なる一族》(1974。山崎豊子原作),《金環》(1975。石川達三原作),《不毛地帯》(1976。…

※「金環」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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