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川上眉山 かわかみびざん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

川上眉山
かわかみびざん

[生]明治2(1869).3.5. 大阪
[没]1908.6.15. 東京
小説家。本名,亮 (あきら) 。別号,烟波 (えんぱ) 散人など。東京大学文科中退。大学予備門 (のちの第一高等学校) 在学中,尾崎紅葉,山田美妙らを知り硯友社同人となり (1886) ,以後同系誌に俳文,雅文,戯文を載せ随一の美文家といわれた。小説は出世作『墨染桜』 (90) をはじめ浪漫的な作風から出発して次第に反硯友社的な傾向を深め,1895年の『大盃』『書記官』『うらおもて』により反俗的な社会批判を展開して,泉鏡花とともに観念小説代表作家と目されるにいたった。しかしその後厭世と懐疑を深め,亡父の旧債と文学的行きづまりから突然自殺をとげた。ほかに随筆『ふところ日記』 (97) ,小説『観音岩』 (1903) など。

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デジタル大辞泉の解説

かわかみ‐びざん〔かはかみ‐〕【川上眉山】

[1869~1908]小説家。大阪の生まれ。名は亮(あきら)。硯友社同人。反俗的な社会批判を含む観念小説を発表したが、文壇の流れに合わず、自殺。小説「書記官」「観音岩」、随筆「ふところ日記」など。

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百科事典マイペディアの解説

川上眉山【かわかみびざん】

小説家。本名亮。大阪生れ。東大文科中退。尾崎紅葉山田美妙らと知り硯友(けんゆう)社に参加。1890年《墨染桜》で世に認められた。《書記官》などで観念小説の代表者として注目されたが,作風に動揺が多く,文学上のゆきづまりを苦悩し,のち自殺。
→関連項目文芸倶楽部

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

川上眉山 かわかみ-びざん

1869-1908 明治時代の小説家。
明治2年3月5日生まれ。尾崎紅葉らを知り,明治19年硯友社の同人となる。23年「墨染桜」で文壇に登場。「書記官」「うらおもて」は観念小説とよばれ,好評を博した。明治41年6月15日自殺。40歳。大阪出身。帝国大学中退。本名は亮(あきら)。別号に烟波山人。作品はほかに「青嵐」「観音岩」など。
【格言など】自己の神聖なる事を思え,尊厳なる事を思え。他の同じく神聖なる事を思え(「ふところ日記」)

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朝日日本歴史人物事典の解説

川上眉山

没年:明治41.6.15(1908)
生年:明治2.3.5(1869.4.16)
明治時代の小説家。本名亮,幼名幾太郎。別号に烟波散人,玄雪,黛子,羅白。戯号,梅枝田夫,傀儡堂鬼仏。旧幕臣川上栄三郎,佐久子の長男として大阪に生まれたとされるが,実父母は別にあるという説もある。幼時に父母に伴われて上京。明治19(1886)年硯友社に入社。帝大法科大から文科大に転じるも,23年中退して作家活動に専念。同年出世作「墨染桜」,28年「うらおもて」などの観念小説を発表。26年ごろより硯友社の文学傾向を離れて『文学界』に接近し,浪漫的傾向を深める。樋口一葉とも親交したが,文学的ゆきづまりや経済的困難のためか自殺。墓所は本駒込吉祥寺。著作集に『眉山全集』全7巻付2巻(1977)がある。<参考文献>『川上眉山・巌谷小波集』(明治文学全集20巻)

(佐伯順子)

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世界大百科事典 第2版の解説

かわかみびざん【川上眉山】

1869‐1908(明治2‐41)
明治の小説家。大阪生れ。本名亮(あきら)。父は元幕臣。幼時父母に伴われて上京,府立一中などを経て東京大学予備門に入学,尾崎紅葉らと親しくなった。1886年(明治19)硯友社(けんゆうしや)に加入,その機関誌《我楽多(がらくた)文庫》に習作を発表して文学に関心を深め,90年東大を中退して《墨染桜》を刊行,出世作となった。その後紅葉らから離れて《文学界》同人に近づき,樋口一葉とも知ったが,作風にも変化を見せ95年の《書記官》《うらおもて》などで観念小説の代表者と見られた。

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大辞林 第三版の解説

かわかみびざん【川上眉山】

1869~1908) 小説家。大阪市生まれ。本名、亮。硯友社けんゆうしや同人。観念小説作家として泉鏡花と並び称されたが、行きづまって自殺。代表作「書記官」「うらおもて」「観音岩」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

川上眉山
かわかみびざん
(1869―1908)

小説家。大阪生まれ。本名亮(あきら)。帝国大学文科大学中退。硯友社(けんゆうしゃ)の同人となり『墨染桜(すみぞめざくら)』(1890)で文名をあげ、ついで『賤機(しずはた)』『白藤(しらふじ)』(ともに1893)などを書いた。このころよりしだいに硯友社に飽き足らず、『文学界』の同人たちと交わり、やがて社会意識を盛り込んだ観念小説とよばれる『書記官』『うらおもて』(ともに1896)などを発表して流行作家となった。しかし、1896年(明治29)父が没し、亡父の債務に悩まされ、一時放浪生活をするなど沈滞時期を迎えたが、ふたたび文壇に復帰。地主と小作人の対立、農村の村八分を扱った『観音岩(かんのんいわ)』(1903~07)などを書いたが、突然自殺した。彼の死の原因は、生活難とも、自然主義に向かう文壇の流れについていけず自信を失ったことともいわれている。[畑 実]
『『現代日本文学全集2 川上眉山他集』(1954・筑摩書房)』

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