イギリスのエッセイスト、アイザック・ウォルトンの随筆。初版は1653年。筆者の増補とイギリスの詩人であり作家でもあるチャールズ・コットンCharles Cotton(1630―1687)の筆になる第二部を加えた1676年の第五版が標準版。釣師、猟師、鷹匠(たかじょう)、その他の人物の対話形式で、魚の生態や料理法に触れながら釣りの技術が語られる。釣りの楽しみを語っていて、実はイギリスの古きよき時代を懐かしく回想し、自然に包まれた素朴で静かな生活の礼賛が作者の真意で、心の記録ともいえよう。聖書に次いで広く読まれたといわれる。
[平 善介]
『森秀人訳『完訳 釣魚大全』(1974・角川書店)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…みずから築いた社会的地位と,その典雅な人柄のゆえに,指導者階級に知己が多く,なかでもJ.ダン,H.ウォトン,R.フッカー,G.ハーバートなど,英国国教会派知識人との交友は,のちにそれぞれについてのすぐれた伝記として実を結んだ。主著《釣魚(ちようぎよ)大全》(1653)はイギリス各地の川や池で各種の魚を釣るのどかなたのしみを説いた随筆風散文だが,自然や人間に注ぐあたたかいまなざしが心をうつ。内乱(ピューリタン革命)からまったく身を引いた政治的不参加の姿勢が,一種の逆説的な参加(アンガージュマン)になっていると読むこともできる。…
…
[外国]
ヨーロッパでは1496年にイギリスで出版された狩猟の本にバーナーズJuliana Bernersという修道女が釣りの手引きを書いたのが釣りの本の最初とされる。現在,釣りの聖書ともいわれる《釣魚大全》はイギリスのI.ウォルトンの書いたものだが,この初版は1653年。このころには,趣味の釣りとしての位置が明確に打ちだされ,マナーなどについても厳しい注文がだされている。…
※「釣魚大全」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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