鉄コルンブ石(読み)てつこるんぶせき(その他表記)columbite-(Fe)

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄コルンブ石」の意味・わかりやすい解説

鉄コルンブ石
てつこるんぶせき
columbite-(Fe)

ニオブを主成分とする鉱物のなかでもっとも普通の種。花崗(かこう)岩質ペグマタイト中、長石中に埋没して産し、石英白雲母(しろうんも)、鉄電気石、鉄礬(てつばん)ざくろ石、ジルコンなどと共存する。自形は斜方柱状あるいは板状。日本では福島県石川町、茨城県桜川(さくらがわ)市真壁町山尾などから産する。風化で分解はしないが、結晶粒はもろく、砂鉱漂砂鉱床)にはあまり入らない。かつては単にコルンブ石columbiteとよばれていたが、同類の相とともに一つの系列にまとめられ、コルンブ石はその系列名となった。ニオブ(最初の元素名はコルンビウム)のタンタル置換体鉄タンタル石、鉄のマンガン置換体マンガンコルンブ石columbite-(Mn)(MnNb2O6)などが系列に含まれる。

加藤 昭]


鉄コルンブ石(データノート)
てつこるんぶせきでーたのーと

鉄コルンブ石
 英名    columbite-(Fe)
 化学式   FeNb2O6
 少量成分  Mn,Ta,Ti
 結晶系   斜方(直方
 硬度    6
 比重    5.43
 色     黒~褐黒
 光沢    亜金属
 条痕    黒~暗褐
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...

代謝の用語解説を読む