鎮吐剤・鎮暈剤(読み)チントザイチンウンザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版の解説

鎮吐剤・鎮暈剤とは


鎮吐剤 脳の延髄えんずいという部分に嘔吐中枢おうとちゅうすうがあって、ここが直接刺激されたり、末梢(嘔吐中枢から遠く離れた部位)に加わった刺激が自律神経を介して嘔吐中枢に伝えられると、吐き気・嘔吐がおこります。


 この吐き気・嘔吐を鎮めるのが鎮吐剤(吐き気止め)で、嘔吐中枢に直接はたらきかける薬を中枢性鎮吐剤、知覚神経の末梢を麻痺まひさせ、嘔吐中枢へ伝えられる刺激を遮断して嘔吐をおこさせないようにする薬を末梢性鎮吐剤といいます。


 中枢性鎮吐剤の作用をもつ薬には、抗ヒスタミン系鎮暈鎮吐剤のほか、抗精神病剤催眠鎮静剤などがあります。


 末梢性鎮吐剤の作用をもつ薬には、イソプレナリン塩酸塩製剤局所麻酔剤抗コリン剤などがあります。


 このほかに、蓚酸しゅうさんセリウム、吸着殺菌剤、解毒剤、下剤、浣腸かんちょう剤にも鎮吐作用があります。


 鎮吐剤は、吐き気・嘔吐の原因によってふつう次のように使い分けられています。


 胃腸の病気からおこった嘔吐には抗コリン剤・局所麻酔剤・抗精神病剤が、乗り物酔い(動揺病)には抗ヒスタミン剤・抗精神病剤・抗コリン剤が、尿毒症からおこった嘔吐にはプリンペラン・抗精神病剤が、妊娠悪阻おそ(つわり)には抗精神病剤が、くも膜下出血などの循環器の病気からおこった嘔吐には抗精神病剤・脳圧降下剤が、膵炎すいえんからおこった嘔吐には抗精神病剤・抗コリン剤が使用されます。


 ただし、肝臓病による嘔吐には、鎮吐剤ではなく、安静と栄養が大切です。


 また、不消化物、毒物、薬物などが原因の場合、嘔吐は悪いものを体外へ排出しようという体の防御反応なので、薬で止めないほうがよいのです。


鎮暈剤 めまいは、中枢神経系と自律神経系に加わった刺激のために内耳や内頸動脈ないけいどうみゃく、脳動脈に血流障害が生じ、その結果、平衡感覚が失われておこりますが、原因はさまざまです。


 めまいを抑える薬が鎮暈剤で、自律神経や中枢神経に作用する抗ヒスタミン系鎮暈鎮吐剤がおもに使われていますが、鎮吐剤と鎮暈剤を兼ねている薬がいろいろあります。


抗ヒスタミン系鎮吐・鎮暈剤


イソプレナリン塩酸塩製剤

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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