陣ヶ岡(読み)じんがおか

日本歴史地名大系 「陣ヶ岡」の解説

陣ヶ岡
じんがおか

[現在地名]紫波町宮手

大字宮手みやで東端、大字陣ヶ岡との境界付近に位置するなだらかな小丘。標高一三六・一メートル。地名の由来は、「邦内郷村志」に「康平年中源頼義公陣場」とあるように、前九年の役で源頼義が安倍貞任と戦った際陣場にしたことによると伝える。南方には藤原氏一族の樋爪氏が拠っていた比爪ひづめ館があり、北方には厨川くりやがわ(現盛岡市)を控える要衝で、文治五年(一一八九)の奥州合戦において重要な舞台の一つとなった。

鎌倉の源頼朝軍は北走する藤原泰衡勢を追い,同年九月四日に「陣岡蜂杜」に布陣、同月一一日まで滞在した。


陣ヶ岡
じんがおか

加越台地の西部浜地はまじ浦より南部丘陵をいう。異国侵入に際して、国内の神々がここに陣を布き撃退したという伝えもある。丘の上には「百町野」(越前地理便覧)とか「広野(大湊神社文書)とよばれる原野が広がり、「野ノ間ハ芝原ニテ端々ニ至ラネハ樹木ハナキニ」(「三国湊新古名所記」浄願寺蔵)とも記され、安島あんとう浦など一〇ヵ村入会の秣刈取場となっていた(大湊神社文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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