陳寅恪(読み)ちんいんかく(その他表記)Chén Yín kè

改訂新版 世界大百科事典 「陳寅恪」の意味・わかりやすい解説

陳寅恪 (ちんいんかく)
Chén Yín kè
生没年:1890-1969

中国の歴史学者。江西省修水県の客家(ハツカ)の出身。変法派官僚の家に生まれ,ベルリン,パリ,ハーバード各大学に学んだ。1926年以後,清華大学国学研究院,西南聯合大学,中山大学の教授歴任,最初東洋語および仏教の研究を主としたが,33年ころから魏晋南北朝・隋唐史に傾いた。その学風は実証的で,地域的民族的観点から歴史の大勢をとらえるところに特色があり,主著《唐代政治史述論稿》《隋唐制度淵源略論稿》をはじめその業績内外学界に大きな影響を与えた。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「陳寅恪」の解説

陳寅恪(ちんいんかく)
Chen Yinke

1890~1969

中国現代の歴史学者。江西省修水の人。日本や欧米で学び,帰国後清華大学などの教授を務めた。中華人民共和国成立後は中山大学教授として大陸にとどまった。欧米的実証主義と中国周辺の諸民族言語能力を武器に非漢族に着目し,アジア全域から中国史展開を考えた。文化大革命では迫害を受け,失意のうちに死去した。

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百科事典マイペディア 「陳寅恪」の意味・わかりやすい解説

陳寅恪【ちんいんらく】

中国の歴史学者。江西省義寧の出身。清朝の名門貴族の家に生まれ,祖父は湖南の民政・軍政長官,父陳三立は清末の大詩人。青年時代に日本と欧米に留学,1925年,帰国し清華大学教授。中央研究院理事,歴史言語研究所所員,故宮博物院理事を歴任。中華人民共和国成立後は,中山大学教授,中国社会科学院委員などを務める。最後の文人的歴史家と呼ばれ,現代中国で最も名声の高い歴史学者で,その著作は知識人・読書人に大きな影響を与えた。代表作に戊戌政変の時代を描く《寒柳堂集》がある。

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