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隠逸 いんいつyin-yi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

隠逸
いんいつ
yin-yi

世俗の生活から身をひいて隠れ住むこと,またはその人。中国では,自己の理想や生き方を固く守って公職につかない人を逸民と呼んだ。『論語』微子編で,孔子が論評を加えている伯夷,叔斉ら7名がその例である。民は志を高くもち続けて隠れ住んでいたので,のちには隠逸と呼ばれ,次第に一般には隠者と称されるようになった。隠逸の古い例は『宋書』の隠逸伝にみられ,安月給の小役人として仕えることを潔しとしないで辞職した陶淵明はそのなかに含まれている。中国の隠逸の動機が政治的,社会的であるのに対して,西欧の隠者 hermitやインドの隠者 ṛ ṣ i は宗教的動機が主である。

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デジタル大辞泉の解説

いん‐いつ【隠逸】

俗世間から逃れて、隠れ住むこと。また、その人。隠遁(いんとん)。

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大辞林 第三版の解説

いんいつ【隠逸】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
俗世を逃れて、人里離れた所に住むこと。また、その人やさま。 「菊は花の-なるものと定められてより/獺祭書屋俳話 子規

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世界大百科事典内の隠逸の言及

【逸民】より

…中国の隠者。知識階級に属しながら政治の世界を俗として仕官せず,民間に隠れて高潔に生きる人々で,隠逸,高逸,高士などともよばれる。聖天子の尭に招かれても,これをけがらわしいとした許由(きよゆう)や,周の武王の治世でもその粟をくらわなかった伯夷(はくい)・叔斉(しゆくせい)などが,その典型とされる。…

【隠者】より

…【樺山 紘一】
[日本]
 日本でも,世俗の生活を捨てたり,そこでの社会的・人間的な関係のもつ制約から逃れ,ときに山野に隠れ住む人を隠者といい,その行為を隠遁という。日本古代の隠遁は老荘や儒教の影響をうけた中国の隠逸を模倣し,官僚社会から逸脱した生活を憧れる観念としてあらわれた。これとは別に,国家の統制下にある宗教教団の外にあって活動する民間宗教家がいた。…

※「隠逸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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