(読み)セキ

デジタル大辞泉 「隻」の意味・読み・例文・類語

せき【隻】[漢字項目]

常用漢字] [音]セキ(漢)
二つあるものの片方。「隻眼隻手隻腕
ただ一つ。ほんの少し。「隻語片言隻句

せき【隻】

[接尾]助数詞
比較的大きい船を数えるのに用いる。「駆逐艦二
屏風などついになっているものの片方を数えるのに用いる。「六曲一
魚・鳥・矢などを数えるのに用いる。
「箭二―を着て」〈続紀

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精選版 日本国語大辞典 「隻」の意味・読み・例文・類語

せき【隻】

  1. 〘 接尾語 〙
  2. (つい)になっているものの片方を数えるのに用いる。〔後漢書‐方術伝上・王喬〕
  3. 魚・鳥・船・矢などを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「着箭二隻竄野裏」(出典:続日本紀‐天平一二年(740)九月戊申)
    2. 「中比伊豆の三嶋の大明神之社頭に、鶏多く有りける中に、盲鶏一隻(セキ)あり」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)一〇)
    3. [その他の文献]〔春秋公羊伝‐僖公三三年〕

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普及版 字通 「隻」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] セキ
[字訓] ひとつ

[説文解字]

[字形] 会意
隹(すい)+(又)(ゆう)。隹は鳥。鳥を手にもつ形。〔説文〕四上に「鳥一枚なり。(手)もて隹(とり)を持つに從ふ。一隹を持つを隻と曰ひ、二隹を持つを雙と曰ふ」(段注本)とみえる。卜文・金文には隻を獲の意に用い、卜辞に「羌を隻(獲)(え)んか」、金文に「執訊隻馘(くわくくわく)」の語がある。のち一隻の意に用い、別に(獲)の字が作られた。

[訓義]
1. とり一羽。
2. かたわれ、かたかた。
3. ひとつ、ひとり。
4. ものを数えるときの助数詞。

[古辞書の訓]
名義抄〕隻 ヒトリ・カクル・カタキナシ・ヒトツ・ツガヒ

[語系]
隻・炙tjyakは同声。両語の間に関係があるかもしれない。小鳥はおおむね鳥炙きとして用いる。

[熟語]
隻影・隻眼隻騎隻脚隻句隻剣隻言・隻語・隻隻字隻日・隻手隻身・隻立隻輪
[下接語]
一隻・影隻

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