雁塔(読み)ガントウ

デジタル大辞泉 「雁塔」の意味・読み・例文・類語

がん‐とう〔‐タフ〕【雁塔】

古代インドのマガダ国にあった雁供養の塔。菩薩ぼさつ浄肉を食う僧を戒めようとして雁に化し、空から落ちて死んだ跡に塔が建てられたという「大唐西域記」の故事による。
中国、西安市にある大慈恩寺および大薦福寺の塔。前者大雁塔後者小雁塔とよばれる。

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精選版 日本国語大辞典 「雁塔」の意味・読み・例文・類語

がん‐とう‥タフ【雁塔・鴈塔】

  1. 〘 名詞 〙 ( 昔、比丘(びく)が雁の群れが飛んでいるのを見て、捕えて食べられたならと戯れに言うと、一羽の雁が落ちてきた。人々はこの雁が戒を垂れたのだとし、その徳をたたえるため雁を埋めて塔を建てた、という「大唐西域記」の故事による ) 廟塔(びょうとう)。塔。雁宇(がんう)。特に、中国、陝西省西安の慈恩寺の塔。唐代、科挙に合格した者の名を記した。
    1. [初出の実例]「鴈塔功能。遙分利衆生之月影」(出典本朝文粋(1060頃)一三・村上天皇供養雲林院塔願文〈大江維時〉)
    2. 「其の奇麗催嵬(さいくゎい)なることは三国無双の雁塔(ガンタウ)也」(出典:太平記(14C後)二一)
    3. [その他の文献]〔沈佺期‐遊少林寺〕

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