① ジンチョウゲ科の落葉低木。中部地方以西の山地に生える。高さ約二メートル。よく分枝し、小枝および葉、特に葉の裏には絹糸状の毛がある。葉は長さ三~五センチメートルの卵形で短柄をもち互生する。五~六月、枝先に先端が四裂した小形の黄色筒状花が約二〇個、半球状に集まって咲く。樹皮からとる繊維は長さ三~五ミリメートルに達し、半透明で光沢があり、丈夫で美しいので良質の紙の原料となる。主産地は岐阜県および滋賀県。同属のコガンピ、キガンピ、サクラガンピなどもガンピと呼ばれ、同様に利用される。栽培困難のため、もっぱら野生品が採集され原料とされる。かみのき。