難易二道(読み)なんいにどう

精選版 日本国語大辞典 「難易二道」の意味・読み・例文・類語

なんい‐にどう‥ニダウ【難易二道】

  1. 〘 名詞 〙 仏語難行道易行道(いぎょうどう)の二つ。前者は、自力を頼りとして悟りへの修行をする立場であるのに対し、後者は、仏の力に頼って悟りを目ざす立場。龍樹(りゅうじゅ)が説いた仏道分類法で、のちに浄土教で、自力と他力、または聖道門(しょうどうもん)浄土門などに配する。
    1. [初出の実例]「至不退転位、有難易二道」(出典往生要集(984‐985)大文一〇)

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関連語 名詞 実例 初出

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「難易二道」の意味・わかりやすい解説

難易二道
なんいにどう

浄土教では,仏教を,修行方法が困難である難行道と,比較的容易である易行道とに分け,この2つをいう言葉。この説は『十住毘婆沙論』に基づき,前者を聖道門 (しょうどうもん) ,後者を浄土門と呼ぶこともある。

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