電気ブレーキ(読み)デンキブレーキ(その他表記)electric brake

デジタル大辞泉 「電気ブレーキ」の意味・読み・例文・類語

でんき‐ブレーキ【電気ブレーキ】

駆動用モーターを発電機に切り換え、走行運動エネルギー電気エネルギーに変換して制動する方法鉄道車両利用電気制動

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精選版 日本国語大辞典 「電気ブレーキ」の意味・読み・例文・類語

でんき‐ブレーキ【電気ブレーキ】

  1. 〘 名詞 〙 ( ブレーキは[英語] brake ) =でんきせいどう(電気制動)
    1. [初出の実例]「漸く気が附いて電気ブレーキを掛けたのだ」(出典:正義派(1912)〈志賀直哉〉上)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気ブレーキ」の意味・わかりやすい解説

電気ブレーキ
でんきブレーキ
electric brake

電車の駆動用電動機を本来の目的とは逆に,発電機として作動させ,電車の運動のエネルギー電気的エネルギーに変えて消費させることによって制動するブレーキ装置。発生電力を抵抗器により熱として放散させる方式 (発電抵抗ブレーキ) と,発生電力を架線を通じて変電所に返還する方式 (電力回生ブレーキ) とがある。なお,低速では制動力が弱いこと,および故障時のことなどを考えて他のブレーキ,たとえば空気ブレーキなどを併用する。また広義には電磁石の吸着力を利用した電磁ブレーキ渦電流ブレーキも含まれる。

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百科事典マイペディア 「電気ブレーキ」の意味・わかりやすい解説

電気ブレーキ【でんきブレーキ】

電気機関車や電車の主電動機の回路をつなぎ変え発電機として制動作用をさせ,生じた電気は熱にして放散する発電ブレーキと,架線側へ返す電力回生ブレーキがある。最近はサイリスターなどの半導体技術(チョッパー制御など)による節電型・非放熱型の回生ブレーキが地下鉄中心に採用されている。
→関連項目ブレーキ

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世界大百科事典(旧版)内の電気ブレーキの言及

【電車】より

…私鉄では,主電動機,運転室の有無はJRと同じ記号で示す(ただし,モの代りにデを使うところもある)場合もあるが,1000系,2000系,5000系など系列による呼称を用い,車種は,100番台や10番台の数字で区別しているところも多い。
[電車の特徴]
 電車列車は,機関車牽引列車と比較した場合,(1)列車全体に動力が分散され,各車軸にかかる重量(とくに動力を有する軸)を軽くすることができ,軌道に与える影響が少なく高速化に有利である,(2)終端駅などでの折返し運転が簡単で車両の運用効率を高められる,(3)全重量に対し動軸の全引張力を大きくしても空転が起きにくく,かつ動力が分散配置されているため列車の全重量に対する全出力が大きくでき,高加速,高速化が容易である,(4)電気ブレーキや電気的な制御を付加することで応答の早いブレーキ動作ができ,高減速が可能である,(5)動力が分散しているので輸送量に対応した連結両数とすることが容易である,(6)長編成電車では車両の一部が故障しても運転に支障をきたすことが少ない,などの利点がある。このため通勤電車などの駅間距離が短く,かつ列車の運転間隔の短いところのほか,高速性能を発揮しスピードに重点を置いた特急電車としても適している。…

【ブレーキ】より

…推力を作用させたときは,運動物体がもっていた運動エネルギーは噴出ガスのような運動物体から離れていく物の運動エネルギーとして運び去られる。一般に,固体摩擦力を利用するブレーキを摩擦ブレーキ(または機械式ブレーキ),流体抵抗を利用するものを流体ブレーキ,電磁力を利用するものを電気ブレーキというが,これらのうち,もっとも広く使われているものは摩擦ブレーキである。
[摩擦ブレーキ]
 回転体にブレーキ片という摩擦部材を押しつける構造のブレーキが一般的である。…

※「電気ブレーキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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