閉じた系内の電荷の和(プラス電荷とマイナス電荷の総量)は時間が経過しても不変であるという法則。電荷保存の法則または電気量保存の法則ともよぶ。電荷は化学反応、原子核反応、および素粒子の崩壊、生成消滅という現象に至るまで保存されることが実験的、経験的に確かめられている。電荷保存則は素粒子論でのゲージ変換理論から導き出され、エネルギー保存則や運動量保存則と同じく自然の基本的性質と考えられている。ある限られた空間を考えたときに、その空間を出入りする電荷に関して、電荷密度をρ、電流密度をiとすると
∂ρ/∂t+div i=0
という連続の式で電荷保存則を表すことができる(tは時間)。
[山本将史 2022年4月19日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
「電荷保存の原理」のページをご覧ください。