霊鷲寺跡(読み)りようじゆじあと

日本歴史地名大系 「霊鷲寺跡」の解説

霊鷲寺跡
りようじゆじあと

[現在地名]前原市大門

染井山と号し、本尊薬師如来。聖武天皇の勅願により清賀が建立し、四二坊があったという。怡土郡七ヵ寺の一(続風土記)。大永二年(一五二二)八月一五日の大内義興書下(児玉採集文書/大日本史料九―一六、以下中世史料はすべて同上)に「怡土郡染井山霊鷲寺」とみえ、明応八年(一四九九)凶賊残党が乱入して歴代の文書を紛失し徐々に荒廃したが、寺領は無事であったため、大永二年に再建を目指し義興の裁許を得ている。


霊鷲寺跡
りようじゆじあと

[現在地名]高取町大字清水谷

吉備きび川西岸の丘陵に所在した山岳寺院。「大和志料」所収の宝永七年(一七一〇)の住僧恵岳の記録に「初此寺名曰冷水寺、建暦元年五月笠置解脱上人御作壺坂寺古老伝年中行事曰三月於冷水寺花供有之」とあるが、冷水せいすい寺は「越智家譜伝」によれば冷水谷しみずたに千軒ともよばれ、行基によって開かれ、初めに宝光ほうこう院、次いで越智氏により観応二年(一三五一)常喜じようき院、翌年吉祥きつしよう院が建立された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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