独立栄養に対する語で、すべての動物とクロロフィルをもたない植物、細菌、菌類の行う栄養形式。他養、有機栄養ともいう。これらの生物体自体には無機物から有機物を合成する能力がないため、植物あるいは他の動物を食物として摂取して栄養源とすることとなる。動物のように有機物しか利用できないものを絶対従属栄養生物といい、独立栄養生物で従属栄養も行えるものを混合栄養生物という。従属栄養生物が摂取する有機物は、直接間接に光合成生物とくに緑色植物によってつくられる有機物に依存しているので、従属栄養生物の生命は、究極的には光合成によって維持されているといってよい。従属栄養生物は、生態学で用いられる消費者と分解者に相当する。
[吉田精一]
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…これに対して動物の多くはきわめて限られた合成能力しかもたず,エネルギー源として炭水化物,脂肪,タンパク質などの高分子化合物を必要とするうえに,体を構成するタンパク質の材料である20余種のアミノ酸のうちの約10種(必須アミノ酸),補酵素などの構成成分として必要なビタミン類,不飽和脂肪酸なども要求し,それらのものを食物として摂食する必要がある。このような栄養型を従属栄養(有機栄養,異栄養)という。病原性バクテリアの多くもこの型である。…
…(2)炭素源の違い 生物が大気中の二酸化炭素CO2を唯一の炭素源として利用し,生体内のすべての有機化合物の炭素骨格を二酸化炭素から合成することを独立栄養,あるいは自養autotrophと呼ぶ。これに対してグルコースなどの,より複雑な還元型の有機化合物を利用しなければならない場合を,従属栄養あるいは他養heterotrophと呼ぶ。光合成生物やその他の限られたある種の細菌が独立栄養性であるのに対し,すべての高等動物と大部分の微生物は従属栄養性である。…
…これは葉緑体のなかで行う。ところが動物は,このように無機質を組み合わせて有機質をつくる能力をもたないから,栄養分としての炭水化物やタンパク質は,複雑な有機物,つまり生物自身の生産物という形でなければ取り入れられない(従属栄養)。すなわち動物は,生きるために植物や動物を食べ,それを分解して自己に特有な物質に変えなければならない。…
※「従属栄養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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