頼もしい(読み)タノモシイ

デジタル大辞泉 「頼もしい」の意味・読み・例文・類語

たのもし・い【頼もしい】

[形][文]たのも・し[シク]
信頼できる。頼みにできて心強い。「若いがなかなか―・い」「―・い味方
期待できて楽しみである。「将来が―・い」
金持ちである。裕福である。
「若かりし折は、まことに―・しくてありし身なり」〈宇治拾遺・一〇〉
[派生]たのもしがる[動ラ五]たのもしげ[形動]たのもしさ[名]
[類語]有望有為末頼もしい心強い心丈夫気丈夫頼り甲斐安心豪放磊落らいらく大船に乗ったよう鬼に金棒

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「頼もしい」の意味・読み・例文・類語

たのもし・い【頼】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]たのも〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「たのむ(頼)」の形容詞化 )
  2. 他をみて、それが頼みにできるさまである。たよれるさまである。また、頼みに思うことからくる主観的な気持や判断を示して、心強い。気強い。
    1. [初出の実例]「仁孝も兼厚くして、太能毛之久(タノモシク)おだひしくあり」(出典:続日本後紀‐天長一〇年(833)二月二八日・宣命)
    2. 「維盛卿『行すへとてもたのもしうも候はず』とて」(出典:平家物語(13C前)七)
  3. 希望をもって期待されるさまである。楽しみなさまである。
    1. [初出の実例]「またあべしと思へばたのもしきを」(出典:枕草子(10C終)一四二)
    2. 「地球(せかい)の中の強国となるとおもへばなんとたのもしいことではないか」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  4. 裕福である。金銭などに恵まれていてたのしいさまである。
    1. [初出の実例]「われは、わかかりし折は、まことにたのもしくてありし身なり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一〇)

頼もしいの補助注記

中世のキリシタン文献には、終止形や連体形名詞として用いた例がある。「天草本平家‐四」に「コレヲ ミヤコエ カエシ イレラレバ キミワ ナンノ votanomoxide(ヲタノモシデ) ヨニモ ゴザラウゾ」「ぎやどぺかどる‐下」に「悪をさけ、でうすを迎へ奉る事、是真の頼母敷也」など。

頼もしいの派生語

たのもし‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙

頼もしいの派生語

たのもし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

頼もしいの派生語

たのもし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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