心強い(読み)ココロヅヨイ

デジタル大辞泉 「心強い」の意味・読み・例文・類語

こころ‐づよ・い【心強い】

[形][文]こころづよ・し[ク]
頼りになるものがあって安心である。心丈夫だ。気強い。「君が味方になってくれれば何よりも―・い」⇔心細い
情にほだされない。つれない。
あなたは恋に冷淡です。あんまり―・いと思います」〈荷風地獄の花〉
意志が堅固である。気丈だ。気強い。
「上は、御息所の見ましかばとおぼし出づるに、堪へがたきを、―・く念じかへさせ給ふ」〈桐壺
[類語]気強い気丈夫心丈夫安心一安心安堵有望有為末頼もしい頼り甲斐豪放磊落らいらく大船に乗ったよう鬼に金棒

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心強い」の意味・読み・例文・類語

こころ‐づよ・い【心強】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こころづよ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 意志が堅い。我慢強い。気持が張りつめている。気強い。
    1. [初出の実例]「うへは、御息所の見ましかばとおぼしいづるに、堪へがたきを、心づよく念じかへさせ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  3. 人情に乏しい。情にほだされない。つれない。
    1. [初出の実例]「宮仕へ仕うまつらず成りぬるも〈略〉心得ず思しめされつらめども、心つよく承らずなりにし事」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「あなたは恋に冷淡です、余りに心強ひと思ひます」(出典:地獄の花(1902)〈永井荷風〉一〇)
  4. 頼れる人、ものがあって心丈夫である。安心である。頼もしい。気強い。
    1. [初出の実例]「わが君、心づよくおぼしなぐさめよ。もろともにだにこめなん」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. 「心利たる供の男を五人撰み、〈略〉宿次の人足を雇ひ、実(げ)に大丈夫に心強き旅の空」(出典人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)初)

心強いの語誌

類義語に「こころごわし」があるが、「こころごわし」が「あくまでも抵抗し、言うことを聞かない」という意を示し、主観的で否定的評価に傾くのに対し、「こころづよし」は「意志が強い。気丈である」さまを客観的に示す。しかし時代が下ると、主観的・情意的意味が中心的なものとなり、現代語ではの「安心だ。頼もしい」という用法に限定して用いられる。

心強いの派生語

こころづよ‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙

心強いの派生語

こころづよ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

心強いの派生語

こころづよ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

こころ【心】 強(つよ)

  1. こころづよい(心強)

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