貯蓄と保障の双方を目的とする生命保険。定められた保険期間内に被保険者が死亡したときは死亡保険金が支払われ,保険期間満了まで生存したときは満期保険金が支払われる。保険金額は,死亡保険金,満期保険金とも同額であり,したがって,万一の場合の遺族保障を果たすとともに,老後のための資金づくりなど長期の貯蓄としての役割ももっている。
養老保険という名称は,老後の生活困窮に対する備えに好適であることから命名されたものであり,日本においては1965年までは,毎年,生命保険の新規加入者の半数以上がこの保険に加入していた。しかし,66年以降,この養老保険に,死亡の場合だけを保障する掛け捨ての定期保険をセットすることによって,死亡保障に重点を置いた定期付養老保険が新規加入者の半数を占めるようになった。
養老保険のなかで,近年とくに注目を集めているのが一時払養老保険である。この保険は,契約時に保険料を一括して払い込むものであるが,積立配当を加えた満期時受取総額は他の貯蓄商品と比べて遜色がなく,加えて税法面においても一時所得の対象となり,一定金額まで無税のため,他の貯蓄商品より実質的な高利回り貯蓄商品となっている。なかでも5年満期,10年満期の一時払養老保険は,中期の高利回り貯蓄として人気を呼んでいる。
執筆者:佐々木 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
被保険者が、保険期間内に死亡したときにも、満期まで生存したときにも、同じ額の保険金が支払われる生命保険。生存保険と死亡保険とを組み合わせたものであるところから混合保険ともいわれる。万一の場合の遺族保障とあわせて老後のための資金の準備などに利用される。わが国においては、1960年代中ごろまでは生命保険の新規契約の7~8割を養老保険が占めていた。しかし、60年代後半以降、この養老保険をベースに定期保険を上乗せし、死亡時には満期給付の5~20倍の死亡給付が行われる、死亡保障を重視する定期付養老保険が普及し始め、70年代には新規契約で養老保険を上回るようになった。なお、この定期付養老保険に対して、前記の養老保険をとくに普通養老保険とよび、定期付養老保険などを含めた広義のものとして「養老保険」という用語を用いることもある。
近年とくに注目されているものに一時払養老保険がある。これは、契約締結時に保険期間に対する保険料を全額一括して払い込むもので、保険期間3年、5~10年、15年のものなどが売り出されている。積立配当金を加えた満期時の受取り額が他の金融商品と比べても有利なものとなっているうえ、保険期間が5年超のものは、税法上、一時所得の対象となって特別控除(1987年度50万円)が適用されるので、利回りの高い利殖型商品として人気を集めている。
[金子卓治]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 みんなの生命保険アドバイザー保険基礎用語集について 情報
…全国各地の郵便局に配属された保険外務員によって募集されている。現在販売されている簡易生命保険の種類には,終身保険,定期保険,養老保険(普通養老保険,特別養老保険,学資保険,成人保険),家族保険,財形貯蓄保険があり,傷害特約,疾病傷害特約を付すことができる。このうち普通養老保険が総保有契約件数の過半を占める主力商品である。…
※「養老保険」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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