馬内侍(読み)ウマノナイシ

デジタル大辞泉 「馬内侍」の意味・読み・例文・類語

うま‐の‐ないし【馬内侍】

平安中期の女流歌人右馬権頭うまのごんのかみ源時明の娘。選子内親王中宮定子に仕えた。「馬内侍歌日記」「馬内侍集」などがある。生没年未詳。

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精選版 日本国語大辞典 「馬内侍」の意味・読み・例文・類語

うま‐の‐ないし【馬内侍】

  1. 右馬権頭源時明の娘という。一条院の后の女官。「中古三十六歌仙」の一人

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬内侍」の意味・わかりやすい解説

馬内侍
うまのないし

生没年未詳。平安中期の歌人。父は源時明(ときあきら)とされるが(『中古歌仙三十六人伝』『尊卑分脈』など)、年代があわなく、時明が実父とは認めがたい。同名異人もあり判然としないが、当代の「馬」の名のつく女房名からみると、村上(むらかみ)天皇女御(にょうご)徽子(きし)、円融(えんゆう)天皇中宮子(こうし)ないしは同女御詮子(せんし)、大斎院選子(せんし)内親王、一条(いちじょう)天皇皇后定子(ていし)ないしは同中宮彰子(しょうし)に女房として仕え、掌侍(ないしのじょう)(内侍)になったことになる。『馬内侍集』によると、その大半は恋歌で朝光(あさみつ)、伊尹(これまさ)、道隆(みちたか)、道長(みちなが)ら高貴権門と多彩な恋愛を繰り広げ、晩年は出家したことが知られる。勅撰集(ちょくせんしゅう)入集(にっしゅう)歌は40首ほど。

 こよひ君いかなる里の月をみて都にたれを思ひ出(い)づらむ
[杉谷寿郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬内侍」の意味・わかりやすい解説

馬内侍
うまのないし

平安時代の女流歌人。右馬権頭源時明の娘。三十六歌仙の一人であり,また梨壺五歌仙にも数えられる。一条天皇の中宮藤原定子 (ていし) に仕え,正暦1 (990) 年掌侍となった。『拾遺集』などの勅撰集に和歌 38首が収められ,歌集に『馬内侍集』がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「馬内侍」の解説

馬内侍 うまの-ないし

?-? 平安時代中期の歌人。
円融天皇の中宮(ちゅうぐう)藤原媓子(こうし),一条天皇の中宮藤原定子(ていし)につかえる。中古三十六歌仙のひとり家集に「馬内侍集」があり,藤原朝光,藤原道隆ら上流貴族との贈答歌がおおくみられる。

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