髄脳(読み)ズイノウ

デジタル大辞泉 「髄脳」の意味・読み・例文・類語

ずい‐のう〔‐ナウ〕【髄脳】

骨髄と脳。
脳髄
脊椎動物はいにおける脳胞の一。のちに延髄に分化し、後方脊髄に続く。末脳。
最も重要な部分。奥義おうぎ心髄
「感慨ある歌の一句を以て―とせる新句は」〈国歌八論
歌学で、和歌法則奥義などを述べた書物
「例の歌を短歌みじかうたとも書きたる―も見ゆるは」〈俊頼髄脳

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「髄脳」の意味・読み・例文・類語

ずい‐のう ‥ナウ【髄脳】

〘名〙
① 脊髄(せきずい)と脳。〔史記‐扁鵲伝〕
② 脳髄。脳漿
今昔(1120頃か)一「菩薩、昔頭目(づもく)・髄・国城・妻子等を諸の人に与へて、无上菩提を求給ひき」
脊椎(せきつい)動物の胚(はい)の脳胞で最後部にあるもの。延髄に分化し、後方で脊髄に続く。
④ もっとも大切な部分。奥義(おうぎ)。心髄。
※音曲声出口伝(1419)「去程に音曲のずいなうあらはれて、さしこと・ただこと葉よりして、一句一曲にいたるまで」
⑤ 和歌の起源や歌体の種類、歌病、作法、歌語の解釈などを記した書物。歌学書。
源氏(1001‐14頃)玉鬘「和歌のずいなう、いと所せう、病、さるべき所多かりしかば」

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普及版 字通 「髄脳」の読み・字形・画数・意味

【髄脳】ずいのう(なう)

脳みそ。梁・沈約〔内典の序〕或いは鬼の功を役し、或いは髓腦の力に(と)る。製、人匠に非ず、寶は合を以てる。

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世界大百科事典(旧版)内の髄脳の言及

【脳】より

…脊髄管がその後も原形を比較的よく保ちながら脊髄に分化,発育するのに対して,脳管は胎児の成長につれて複雑に変形する。まず脳管は前脳胞,中脳胞,菱脳(りようのう)胞の三つの膨らみ(脳胞brain vesicle)に区分されるが,さらに前脳胞は終脳胞と間脳胞に,菱脳胞は後脳胞と髄脳胞に区分される。このように脳管が五つの脳胞から成立する時期は,ヒトでは胎生5週である。…

※「髄脳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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