高周波療法(読み)こうしゅうはりょうほう

百科事典マイペディアの解説

高周波療法【こうしゅうはりょうほう】

高周波を治療手段として応用するもの。ジアテルミーのほか,短波・超短波・極超短波(マイクロ波)療法などがあるが,現在広く利用されているのは後2者である。これらの療法は局所に適用して得られる温熱効果を主目的とする。普通使用される超短波は波長6m,マイクロ波は12.5cmで,照射部位の皮膚よりも深層の筋肉層に一層強い加温効果がみられ,局所の細小血管の拡張,血行の促進などによる消炎,鎮痛作用が著しい。筋肉痛,神経痛,慢性化した筋肉・腱・関節の炎症や外傷性の疼痛(とうつう)には効果があるが,化膿その他の急性炎症には用いてはならない。
→関連項目温熱療法電気療法メディカルエレクトロニクス

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

高周波療法
こうしゅうはりょうほう

高周波(300キロヘルツ以上)を利用した物理療法の一つ。高周波療法には短波帯、超短波帯、極超短波帯が用いられる。医用に利用できる周波数は原則的には国際的に規定されている。極超短波帯のものは一般に電磁界を利用するが、その他のものには電界および磁界が利用される。高周波療法の目的は温熱療法と理解してよいが、なかには間欠的に高周波電流をパルス状に発振させ、患者には熱感を覚えさせないで治療するものもある。これらの電気的温熱療法の目的は、患部の温度を上昇させることで血流やリンパの流れをよくし、新陳代謝を促進させ、患部の老廃物が除去されるのを期待するもので、炎症の急性期は適応にならない。また、患部の温度は上昇しても、血流により速やかに持ち去られ、局所の温度が急に上昇することはない。しかし、血流の少ない角膜とか睾丸(こうがん)などは温度が上がりすぎるおそれがあるので、照射あるいは通電は禁忌となる。また、若い骨の先端や悪性腫瘍(しゅよう)に対しても禁忌である。極超短波治療器においては照射体、超短波および短波治療器においては治療導子(電流の出入部)をくふうすることでその応用範囲は広がる。超短波蓄電器電界法は、電気抵抗の高い脂肪などの温度が必要以上に上昇するなどの欠点があるが、半面、患部を導子で挟むだけでよいという利点がある。また、渦流を利用するラセン電界法は筋肉を温めるのに適している。
 極超短波療法は短波や超短波療法に比べ、深部を温めるのには適していないが、取扱いが簡単で、感電などのおそれがない。なお、最近、癌(がん)に対して放射線あるいは抗癌剤の効果を増進させる目的で、これらの高周波療法がハイパーサーミア(高温療法)の加熱部分として応用される。[玉川鐵雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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