日本歴史地名大系 「高城郡」の解説
高城郡
たきぐん
- 鹿児島県:薩摩国
- 高城郡
〔古代〕
「和名抄」名博本はタカキと読み、同書東急本国郡部は「太加木」の訓を付す。郡名は唱更国司らが国内要害の地に設置を要請し許可された柵や戍(「続日本紀」大宝二年一〇月三日条)に由来するとする説もある。「和名抄」には升
合」の記載の下に「充隼人一十一郡六斛九斗一升八合 当郡九斛三斗五升九合」という注記があり、河辺郡の「酒
斗弐升参合」という記載に「高城郡酒者」の注記が施されていることから、隼人十一郡の酒はすべて当郡で用意されていたことがわかる。また国司による国内視察費用についても、一般には各郡が分担支出するのであるが、薩摩国ではすべて高城郡の支出となっており、当郡が隼人十一郡支配で担った役割の大きさがわかる。さらにこの正税帳には遣唐使の第二船に米七五束六把と酒五斛三斗を供給したことが記載されており、この船が川内川河口付近に停泊した可能性を示している。
高城郡家の位置は、高城町麓の
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報