高木限界（読み）コウボクゲンカイ（その他表記）tree limit

デジタル大辞泉

こうぼく‐げんかい〔カウボク‐〕【高木限界】

高木の生育が不可能となる限界線。高山や高緯度地方にみられる。樹木限界。喬木きょうぼく限界。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こうぼく‐げんかいカウボク‥【高木限界】

1. 〘 名詞 〙 高木の生育が不可能となる限界線。気温などの環境条件が地域的に変化するために生じる。高山や高緯度地方にみられる。樹木限界。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

高木限界 (こうぼくげんかい)
tree limit

環境条件が地域的に変化し，高木の生育に不適な状態になるため，高木が直立状で分布できなくなる限界線で，樹木限界ともいう。高緯度・高山での低温・強風・多雪，砂漠での乾燥，湿原での過湿，山頂・海岸での強風・乾燥など生育環境が厳しくなったり，生育期間が短くなると樹木の生育が困難になる。環境が変化して樹木が生育できなくなる限界線では，急激な移行のみられる場合もあるが，幅のある移行帯を生じることが多い。まず高木が生育できる微環境が全体的ではなくなり，不均一で限られるようになり，森林が成立しなくなる（森林限界）。ついで高木の生育できる微環境がなくなって，低木と疎生した直立状の高木が存在する地帯から，高木が生存しえない高木限界を経て，矮性（わいせい）状の低木のみが生育する地帯となる。最後に，樹木の生育を許さない微環境となって（低木限界），草原となる。移行帯では，このような一連の変化がみられる。
執筆者：藤田 昇

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

日本大百科全書(ニッポニカ)

高木限界
こうぼくげんかい

極地、高山などにおける高木の分布する限界、または限界線をいう。降水量の多い所ではほぼ森林限界に一致するが、乾燥した地域では森林限界を超えた地域にも単木が点在することが多い。

［大場達之］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

高木限界
こうぼくげんかい

「樹木限界」のページをご覧ください。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の高木限界の言及

【森林限界】より

…限界線は相観により判断されるが，環境が急激に変化するところでは明確であるのに対し，環境変化がゆるやかだと移行は連続的である。環境傾度にそって，森林限界から高木限界，低木限界へと移り変わる移行帯がみられることが多い。　森林限界は，高緯度地方では亜寒帯(針葉樹林帯)と寒帯(ツンドラ帯)の境に生じ，北半球では北緯60゜～70゜付近になるが，大陸西岸では海洋性気候のため北上する。…

※「高木限界」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」