推理作家。大阪市生まれ。本名林みどり。国際基督(キリスト)教大学卒業。貿易商社勤務ののち、金塊強奪計画を描いたデビュー作『黄金を抱いて翔(と)べ』(1990)で日本推理サスペンス大賞を受賞。国際諜報(ちょうほう)小説『リヴィエラを撃て』(1993)で日本推理作家協会賞を受賞。その後、直木賞の受賞作『マークスの山』(1993)や『照柿(てりがき)』(1994)を発表して、新しい社会派ミステリー作家としての地位を確立した。文体も作風も硬質で、女流作家のイメージを連想させないところが、この作家の特徴といえる。大企業の社長誘拐という発端で始まるプロットのなかに、現代社会の暗黒の病巣を力強く描いた大作『レディ・ジョーカー』(1998)でミステリー系の作品としては初めて毎日出版文化賞に輝いた。
[厚木 淳]
『『マークスの山』(1993・早川書房)』▽『『レディ・ジョーカー』上下(1997・毎日新聞社)』
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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