鱈子(読み)タラコ

デジタル大辞泉 「鱈子」の意味・読み・例文・類語

たら‐こ【×鱈子】

タラ卵巣。特に、スケトウダラの卵巣を塩漬けにしたもの。秋から冬にかけて最も美味とされる。 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「鱈子」の意味・読み・例文・類語

たら‐こ【鱈子】

  1. 〘 名詞 〙 鱈(主にスケトウダラ)の成熟卵腹子)。塩漬けにしたものもある。塩漬けにしたものは、赤いので紅葉子(もみじこ)ともいう。たらのこ。
    1. [初出の実例]「海苔も、タラコも、〈略〉何ァんにもいらんのやで」(出典:青い月曜日(1965‐67)〈開高健〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「鱈子」の意味・わかりやすい解説

鱈子 (たらこ)

タラの卵の意であるが,ふつうスケトウダラの卵巣を塩漬にしたものをいう。生の卵巣を食塩水で洗って汚れを除き,食塩を加えて塩蔵する。食用色素を加えて紅色に着色することも多く,紅葉子(もみじこ)の別称もある。博多名物の〈辛子明太魚子(からしめんたいこ)〉は塩とトウガラシで漬けこんだもので,スケトウダラを朝鮮でメンタイ,ミンタイと呼ぶところからの名である。以上,いずれもそのまま,あるいは焼いて酒のさかな,飯の菜,あえ物,カナッペなどに用いる。マダラの卵巣は〈生(なま)たらこ〉と呼ばれ,生のまま市場に出回り,煮つけにして美味である。
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百科事典マイペディア 「鱈子」の意味・わかりやすい解説

鱈子【たらこ】

スケトウダラの卵巣の塩蔵品。食用色素で赤く着色することも多く,紅葉子(もみじこ)とも。ダイコンおろしとあえたり,焼いて食べる。博多名物の辛子明太子(からしめんたいこ)は塩と唐辛子を用いて漬けこんだもの。マダラの卵巣も鱈子と呼ばれるが,これは大型で普通は生で市販され,煮つけなどにする。

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世界大百科事典(旧版)内の鱈子の言及

【スケトウダラ(鯳)】より

…また,魚粉として家畜,養殖魚の飼料製造の原料とされる。卵巣の塩蔵品は〈たらこ〉,または〈紅葉子(もみじこ)〉の名で賞味される。【日比谷 京】。…

【タラ(鱈)】より

…《本朝食鑑》が一塩(ひとしお)のものを最上としたゆえんである。たらこと呼ぶ塩蔵品はスケトウダラの卵巣で,マダラのそれはふつう生たらこといい,煮つけにする。白子,つまり,精巣はわん種や煮つけにするが,これは古くから〈雲腸(くもわた)〉と呼ばれて珍重された。…

※「鱈子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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