麗江(読み)れいこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「麗江」の意味・わかりやすい解説

麗江
れいこう / リーチヤン

中国、雲南(うんなん)省北部の地級市。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))上流の金沙江(きんさこう)に沿い、玉竜(ぎょくりゅう)山、光茅(こうぼう)山などの山麓を占める地区で、古城(こじょう)区、玉竜県、永勝(えいしょう)県、華坪(かへい)県、寧蒗(ねいろう)イ族自治県を管轄する(2016年時点)。人口114万8378(2010)。このうちナシ族、イ族などの少数民族が5割超を占める。とくにナシ族は集中して居住し、独自の民族文化を保存している。農業では米、麦の生産のほか、養蚕、ウマの飼育が盛んである。また山地には漢方薬材が多い。近年は電力、建材冶金、生物科学関連を中心に工業化が進んでいる。麗江三義空港が古城区にある。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年2月16日]

世界遺産の登録

ナシ族がつくりあげた旧市街が1997年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「麗江旧市街」として世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部 2017年2月16日]

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改訂新版 世界大百科事典 「麗江」の意味・わかりやすい解説

麗江 (れいこう)
Lí jiāng

中国,雲南省北西部,麗江地区にある麗江ナシ(納西)族自治県のこと。地区公署,自治県政府所在地は大研鎮で,標高2400mの山間盆地にある。長江(揚子江)上流の金沙江が県内を流れ,深い峡谷をなし,玉竜雪山などの高山がそびえる。住民はナシ族がもっとも多く,そのほかプミ(普米),リス(傈僳)など11の民族を数える。漢代は越嶲(えつすい)郡,元代に,麗江路の通安州に属し,清代に麗江県となった。1961年4月,現在の自治県が成立。
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百科事典マイペディア 「麗江」の意味・わかりやすい解説

麗江【れいこう】

中国雲南省西北部の市。市の北部に標高5596mの玉龍雪山がそびえ,長江上流の金沙江が流れる。標高2400mの麗江古城は,明代まで少数民族ナシ族木氏の世襲する王都で,旧市街は水路が縦横に走り,古い街並みが良く保存されている。茶葉古道の要衝として発展した。ナシ族のほか,リス族,ペー族,イ族などの少数民族が居住し,少数民族の人口が多い。1997年,世界遺産に登録された。

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