麻績(読み)オミ

デジタル大辞泉 「麻績」の意味・読み・例文・類語

おみ〔をみ〕【績】

《「おうみ」の音変化》を細く裂いて、より合わせて糸にすること。また、それを職とする人。
打麻うちそやし―の子ら」〈・三七九一〉

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精選版 日本国語大辞典 「麻績」の意味・読み・例文・類語

おみをみ【麻績・苧績】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「おうみ(苧績)」の変化した語 ) 布に織るために、麻(お)を細く裂いてつなぎ合わせて糸にすること。また、それを業とする人、氏族
    1. [初出の実例]「うちそやし 麻績(をみ)の児ら あり衣(きぬ)の 宝の子らが 打つ栲は 経て織る布 日曝(ひざらし)麻紵(あさてづくり)を」(出典万葉集(8C後)一六・三七九一)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 三重県中東部、明和町中海(なこみ)付近の古名。古く、糸をつむいで麻績神社に奉納した。松坂木綿の産地として知られた地。おうみ。
    2. [ 二 ] 長野県東筑摩郡北部の地名近世、善光寺街道の宿駅

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改訂新版 世界大百科事典 「麻績」の意味・わかりやすい解説

麻績[村] (おみ)

長野県中部,東筑摩郡の村。人口2970(2010)。筑摩山地に位置し,北縁には聖(ひじり)山,南端には四阿屋(あずまや)山がそびえ,中央を犀(さい)川支流の麻績川が西流する。村域の70%近くを山林原野が占め,平地は麻績川沿岸に限られるが,聖山南麓では標高1000m付近まで集落が散在し,耕地化されている。中心集落の麻績は近世,北国西脇往還宿場として栄え,本陣が置かれた。主産業は稲作畜産,果樹栽培などの農業である。聖山一帯は県立自然公園に指定され,聖湖を中心にハイキング,スキー,スケート客でにぎわう。また別荘地開発も進められている。長野自動車道は国道403号線の南側を通り,麻績インターチェンジはJR篠ノ井線聖高原駅の南に位置する。日(ひ)にある天台宗福満寺薬師如来座像は重要文化財。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「麻績」の意味・わかりやすい解説

麻績(村)
おみ

長野県中北部、東筑摩郡(ひがしちくまぐん)にある村。北に標高1447メートルの聖山(ひじりやま)があり、JR篠ノ井(しののい)線聖高原駅がある。農業は水稲とリンゴ栽培を中心にしている。村の振興のため聖高原一帯を開発し、別荘地が造成され、スキー場もある。高原の中心には人造湖の聖湖を囲んでホテルや公園もある。また、国指定重要文化財「木造薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」のある福満寺(ふくまんじ)がある。面積34.38平方キロメートル、人口2593(2020)。

[小林寛義]


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