改訂新版 世界大百科事典 「筑摩山地」の意味・わかりやすい解説
筑摩山地 (ちくまさんち)
長野県のほぼ中央に位置する標高1000~2000mの山地。南から北へ鉢伏山(1928m),美ヶ原(王ヶ頭(おうがとう),2034m),四阿屋(あずまや)山(1387m),聖(ひじり)山(1447m)など,おもに第三紀層からなる山々が並ぶ。中心の美ヶ原周辺にはなだらかな小起伏面が発達し,各種の高山植物,ツツジ,スズランなどが群生しており,冬はスキーの適地となる。松本・上田両盆地はこの山地によって隔てられるため,扉,武石,三才山,保福寺などいくつかの峠が開かれ,これらの峠を通る道路は古くから重要な役割を果たしてきた。八ヶ岳中信高原国定公園の北端の一部であり,1981年には扉峠から美ヶ原に至る10.3kmのビーナスライン(霧ヶ峰有料道路。2002年無料開放)も開通した。
執筆者:中村 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報