六訂版 家庭医学大全科 「黄斑ジストロフィ」の解説
黄斑ジストロフィ(先天性黄斑変性症)
おうはんジストロフィ(せんてんせいおうはんへんせいしょう)
Macular dystrophy (Congenital cone degeneration)
(眼の病気)
どんな病気か
黄斑部の
黄斑ジストロフィとひと口にいっても病気の種類は多数あります。少し専門的になりますが、スターガルト型黄斑ジストロフィ(図50a)、
原因は何か
原因は遺伝子の異常です。ジストロフィという病名は眼科にかぎらずよく出てきますが、遺伝子の異常によって組織や臓器が徐々に変性することを意味します。ちなみに
症状の現れ方
病気の種類によって違いますが、視力低下、中心暗点(中心が見えにくい)、傍中心暗点、
検査と診断
眼底検査でおおよその診断はつきます。両眼対称性であること、進行性であること、家族にかかった人がいること、薬物や感染症など外因がないことなどが重要な手がかりになります。
治療の方法
網膜色素変性症と同様、有効な治療法は見いだされていません。症状に応じて、
病気に気づいたらどうする
専門医の診察を受け、正しく診断してもらうことがまず基本になります。病気を受け入れ、その後のことを考えるのが合理的だと思います。
多くの場合、黄斑ジストロフィは、視力の大幅な低下が避けられません。残存機能を活用すること、弱視学級や盲学校での勉学、職業訓練など、将来を見通して現実的に対応することが有益でしょう。
河野 眞一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報