翻訳|photophobia
まぶしさのために眼をあけていられない状態をいう。まぶしさを感ずる機序としては,大量の光が入ることと光が散乱することとともに,痛みを感ずる三叉神経(さんさしんけい)が刺激されることの三つがある。大量の光が入るのは,明るい所にいるにもかかわらず散瞳薬で瞳が開いているとき,アディー症候群のように病的に散瞳したとき,先天的な虹彩欠損症,水晶体を手術で取り除いた場合等がある。光が散乱するのは,白内障や角膜混濁のために網膜に光が到達する前に散乱する場合と,視細胞層の外側にあって光の吸収作用を行っている網膜色素上皮が不十分な場合がある。後者には,先天的に色素の乏しい白子症や,色素細胞が選択的に侵される原田病等がある。第3の三叉神経刺激症状を起こす疾患には,角・結膜の異物,角膜の潰瘍,感染症があり,また虹彩炎のある眼でも,強いまぶしさを感ずる。原因を取り除き治療するのが原則であるが,対症療法としては,眼帯をしたり,サングラスをかけて,光をさえぎる。
執筆者:佐藤 孜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
まぶしさに対する状態を示す用語で、強い光に対してまぶしく感じ、光を避けるために目を細めたり、ひどいときには涙が出たり眼痛を訴えたりすること。眼疾患の症状としての羞明(まぶしがり症)は、健常者ではまぶしくない程度の光でも、痛みを伴う不快感のため目を開けていられないものをいい、前眼部に疾患や異物による刺激があるときによくみられる。先天性白皮症や色覚異常(一色覚)をはじめ、角膜炎や虹彩(こうさい)炎、水晶体の疾患、あるいは睫毛(しょうもう)乱生(さかさまつげ)のほか、ときには結膜炎や網膜あるいは視神経の疾患でもおこり、自律神経異常のときにもみられることがある。原因疾患の治療が先決であるが、対症療法としては、結膜や角膜の疾患によるものには表面麻酔剤の点眼を行うこともあり、サングラスで自覚症状を軽減させる。
[大島 崇]
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