精選版 日本国語大辞典 「黒浜貝塚」の意味・読み・例文・類語 くろはま‐かいづか‥かひづか【黒浜貝塚】 埼玉県蓮田市黒浜にある縄文前期の遺跡。一三の小貝塚からなる。ハイガイ、ハマグリ、マガキを主とする貝層とともに、繊維を含み、斜行・羽状縄文を持つ黒褐色土器を出土。黒浜式土器は関東地方における縄文前期の標式。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「黒浜貝塚」の解説 黒浜貝塚くろはまかいづか 埼玉県:蓮田市黒浜村黒浜貝塚[現在地名]蓮田市黒浜 天神前など元荒川に面する大宮台地黒浜支台上に位置する。標高一四―一六メートル。黒浜貝塚という名称の貝塚はなく、黒浜地区に点在する貝塚の総称である。本来黒浜貝塚群とよぶべきかもしれない。宿上(しゆくがみ)・宿下・天神前(てんじんまえ)・新井(あらい)などの諸貝塚からなる。縄文時代前期前葉に編年される黒浜式土器の標式遺跡で、県指定史跡。宿上貝塚は昭和四五年(一九七〇)発掘調査が実施され、黒浜式初頭の竪穴住居跡が貝層を伴い三軒発見された。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
国指定史跡ガイド 「黒浜貝塚」の解説 くろはまかいづか【黒浜貝塚】 埼玉県蓮田(はすだ)市黒浜にある貝塚遺跡。県東部に位置する大宮台地東部の標高14~16mの舌状台地上に所在。縄文時代前期の集落にともなって形成された貝塚で、その存在は古くから知られ、遺跡からの出土土器は関東地方を中心に分布する縄文時代前期の「黒浜式土器」の標式となっている。範囲確認調査の結果、集落の規模は東西150m、南北95mほどで、その中央部分には北側谷部に向かって開口する東西約50m、南北約40mの窪地状の広場のあることが判明した。貝塚は竪穴(たてあな)住居跡などに小規模に形成されており、ハイガイを主体としてマガキ、ハマグリ、ヤマトシジミが含まれる。出土遺物としては土器、石器、骨角器、玦状耳飾りなどがあり、南関東の自然環境の変遷や当時の生活を考えるうえで重要とされ、2006年(平成18)に国の史跡に指定された。JR宇都宮線蓮田駅から朝日バス「蓮田市役所」下車、徒歩約5分。 出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報