本間 久雄(読み)ホンマ ヒサオ

20世紀日本人名事典 「本間 久雄」の解説

本間 久雄
ホンマ ヒサオ

大正・昭和期の文芸評論家,英文学者,国文学者 早稲田大学名誉教授;実践女子大学名誉教授。



生年
明治19(1886)年10月11日

没年
昭和56(1981)年6月11日

出生地
山形県米沢市

学歴〔年〕
早稲田大学英文学科〔明治42年〕卒

学位〔年〕
文学博士〔昭和11年〕

経歴
坪内逍遙を慕って早大英文科に学ぶ。英詩人オスカー・ワイルドの研究を進めるとともに、大正7年から昭和2年まで文芸誌「早稲田文学」を主宰した。6年より早大教授をつとめ、32年退職したが、のち実践女子大、立正大各教授を歴任した。明治文学研究の第一人者で、著書に「明治文学史」(全5巻)、「自然主義および其以後」「明治大正文学真蹟図録」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「本間 久雄」の意味・わかりやすい解説

本間久雄【ほんまひさお】

評論家,英文学者,国文学者。山形県生れ。早大英文科卒。評論集《高台より》(1913年)で認められる。1918年《早稲田文学》編集主任となり,《明治文学研究》7冊を編集。英国留学を経て1931年早大教授。ペーターの影響の下,《英国近世唯美主義の研究》(博士論文)を書く。広範な知識と徹底した資料収集による《文学概論》(1926年),《明治文学史》5巻(1935年―1964年),《明治大正文学資料 真蹟図録》(1977年)などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本間 久雄」の意味・わかりやすい解説

本間久雄
ほんまひさお
(1886―1981)

評論家、英文学者、国文学者。山形県生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。坪内逍遙(しょうよう)、島村抱月(ほうげつ)の学統を継ぎ文芸評論家として明治末年から活躍。オスカー・ワイルド、ウォルター・ペイターの研究家としても著名。1918年(大正7)から27年(昭和2)まで『早稲田文学』主宰。28年渡英、帰朝後『英国近世唯美主義の研究』(1934)を刊行。早大教授、文学博士となる。他方、大正末、関東大震災後から日本近代文学研究に専念、35年から64年にかけて『明治文学史』全五巻を完成した。ほかに『文学概論』『文学と美術』『真蹟(しんせき)図録』などの著がある。

[岡 保生

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本間 久雄」の解説

本間久雄 ほんま-ひさお

1886-1981 大正-昭和時代の評論家,英文学者。
明治19年10月11日生まれ。島村抱月(ほうげつ)にまなび,「早稲田文学」同人,のち主宰者として活躍,エレン=ケイの紹介や民衆芸術論で知られる。昭和6年早大教授。「明治文学史」「エレン・ケイ思想の真髄」などの著作がある。昭和56年6月11日死去。94歳。山形県出身。早大卒。

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367日誕生日大事典 「本間 久雄」の解説

本間 久雄 (ほんま ひさお)

生年月日:1886年10月11日
大正時代;昭和時代の文芸評論家;国文学者。早稲田大学教授;実践女子大学教授
1981年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の本間 久雄の言及

【民衆芸術論】より

…大正期文壇において1916年(大正5)から数年にわたって交わされた〈民衆と芸術〉のテーマをめぐる論議。大正デモクラシーの思潮の中から,芸術の民衆化,あるいは民衆の芸術参加という課題が浮かび,〈民衆芸術とは一般平民のための芸術〉と規定した本間久雄の論文〈民衆芸術の意義及び価値〉(1916)が論議の発端になった。安成貞雄,加藤一夫,大杉栄,平林初之輔,生田長江などが発言したが,本間が民衆を教化する芸術を論じたのに対し,急進的な大杉は〈民衆によって民衆の為に造られ而して民衆の所有する芸術〉と規定して,労働階級の政治的自立と芸術的自立の同時達成を主張し,両者の論旨が有効にかみあうまでにいたらず,論議は労働文学や民衆詩などと一つになって,大正末年のプロレタリア文学をめぐる大渦の中に吸収されていった。…

※「本間 久雄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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