知恵蔵 「2025大阪万博」の解説
2025大阪万博
万博は、国際博覧会条約に基づき開催される国際博覧会。登録博と認定博(旧区分では一般博と特別博)があり、大規模な登録博は5年ごとに開催される。開催国は、博覧会国際事務局(BIE)総会において、立候補国の中から加盟国(170国)の投票により決められる。大阪への万博誘致は2014年、当時の橋下徹・大阪市長や松井一郎・大阪府知事が打ち出し、20年に開催予定の東京オリンピック後の景気浮揚策と位置付けて誘致活動を展開してきた。日本は18年11月23日にパリで開かれたBIE総会で、「SDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献する」「参加国と共創(Co-creation)する」「安心安全で快適な」万博にすることを三つの約束として強調するプレゼンテーションを行い、2回の投票の結果、開催国に選ばれた。第1回目投票は日本85票、ロシア48票、アゼルバイジャン23票となり、決選投票で日本は92票を獲得して61票のロシアを上回った。
2025年の大阪万博では、サブテーマを「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」として、「未来社会の実験場」のコンセプトを掲げる。会場建設費は約1250億円で国と大阪府・市、民間が3分の1ずつ負担し、運営費の約820億円は9割を入場料収入で賄う計画だ。期間中の来場者は約2800万人を見込んでおり、経済波及効果は約2兆円と試算している。会場となる夢洲の一角には、大阪府・大阪市がカジノを含む統合型リゾート(IR)施設を24年度中に開業させたい考えを示している。
(原田英美 ライター/2018年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報