三日市庭(読み)みつかいちば

日本歴史地名大系 「三日市庭」の解説

三日市庭
みつかいちば

新見庄内の常設市場。同庄内では幾つかの市が開かれていたことが史料から確認ないし推定されているが、そのなかの主市場であったと思われる。高梁たかはし川の中洲、あるいは右岸、あるいは両岸にわたっていたとする説があるが、高梁川の河道の変化、近世初頭の河川改修などにより確定することは難しい。現在、左岸となっている地域に三日市さんがいちの字名があり、これを遺称地とみることもできるが、氾濫や改修により地名が移動したという考えもある。

市の開設および定期化した時期は不明であるが、弘安八年(一二八五)新見庄地頭方東方田地内検名寄帳(東寺百合文書)には「市庭分」として一四筆の地がみえるので、鎌倉中期頃には相当の発展をしていたものと推測される。建武元年(一三三四)の同庄東方地頭方検見并納帳(東寺百合文書)には市庭在家として一四軒が記される。屋敷は後地(荷積地)をもつ一〇代の画一化されたものである。


三日市場
みつかいちば

戦国期甲府城下町西の出入口付近にあった市場。江戸時代元三日もとみつか(現朝日二―三丁目など)付近に比定される。「一蓮寺過去帳」には大永六年(一五二六)二月一五日供養の衆一房に三日市場の記載があり、「武田家日坏帳」には天文一二年(一五四三)三月一〇日供養の「府中三日市場鮎川孫三郎」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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