CERN(読み)セルン

デジタル大辞泉 「CERN」の意味・読み・例文・類語

セルン【CERN】[Conseil Européen pour la Recherche Nucléaire]

《〈フランスConseil Européen pour la Recherche Nucléaire》1954年、フランス・英国スイスなどが共同出資して設立した原子核高エネルギー物理学研究機関。一般にはジュネーブ郊外にある中央研究所をいう。地下には、スイスとフランスの国境をまたぐ形でLHC大型ハドロン衝突型加速器)が建設された。欧州合同原子核研究機関

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改訂新版 世界大百科事典 「CERN」の意味・わかりやすい解説

CERN (セルン)

ヨーロッパ合同原子核研究機構Centreeuropéen pour la recherche nucléaireの略称物質を構成する基本粒子,すなわち素粒子とは何かを明らかにすることを目的として,ユネスコ勧告に基づいて,1954年スイスのジュネーブに設立された物理学研究所。この分野の実験的研究には巨大な粒子加速器が不可欠であるが,加速器の建設には莫大な費用がかかるので,アメリカソ連以外の国は単独ではこの負担に耐えられない。そこで,西ヨーロッパ諸国は,フランス,西ドイツイギリスなどを中心に協力してCERNを設立したわけである。この意味でCERNはヨーロッパ共同体EC)の科学上のシンボルとしての役割を担っているといえる。CERNでは,1959年に陽子を30GeVにまで加速できる陽子シンクロトロンが完成し,以来この加速器を用いた多くの実験が行われた。また82年には450GeVの陽子シンクロトロンも完成した。CERNにおける研究成果はアメリカやソ連(現,ロシア)のライバル研究所をしのぐと評価されているが,この陽子シンクロトロンが完成したことによって高エネルギー物理学のメッカとしてのCERNの地位はいっそう揺るぎないものになったといえる。
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百科事典マイペディア 「CERN」の意味・わかりやすい解説

CERN【セルン】

ヨーロッパ合同原子核研究機構(European Organization for Nuclear Research)。1952年フランス,西ドイツ(現ドイツ),イタリア,ベルギー,オランダ,北欧三国,スイス,英国など12ヵ国が共同で原子核物理学の研究を進めるために設立した。中央研究所はジュネーブ近郊メランにあり,約600メガボルトのシンクロサイクロトロン,450ギガ電子ボルトのシンクロトロンをもつ。
→関連項目シュタインバーガーシンクロトロン反物質ファン・デル・メーアモッテルソン

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「CERN」の解説

CERN

欧州素粒子物理学研究所。1954年にヨーロッパの12カ国が出資して設立された研究所。WWWの仕組みを開発したことで知られる。CERNという略称は、暫定的な組織として発足したときに付けられた「Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire」という名前が由来。

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世界大百科事典(旧版)内のCERNの言及

【研究所】より

…科学の巨大化の傾向は,巨大な加速器を必要とする高エネルギー物理学などにもみることができる。大加速器の建設と維持には莫大な費用がかかるため,ヨーロッパ諸国は共同出資して,ジュネーブ近郊にCERN(セルン)(欧州合同原子核研究所)を設立した。ビッグ・サイエンスは,米ソを除いては,一国の手に余るものとなってしまったのである。…

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