モッテルソン(読み)もってるそん(英語表記)Ben Roy Mottelson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モッテルソン」の意味・わかりやすい解説

モッテルソン
もってるそん
Ben Roy Mottelson
(1926―2022)

デンマーク物理学者。アメリカのシカゴに生まれる。1947年パーデュー大学を卒業後、1950年にハーバード大学シュウィンガーの指導により理学博士号取得した。1950年デンマークのコペンハーゲンに渡り、理論物理学研究所(ニールス・ボーア研究所)、ついでヨーロッパ原子核研究機構(CERN(セルン))で研究活動を行った。1957年に北欧理論原子物理学研究所が新設されると、そこの教授就任した。1971年デンマークに帰化している。

 理論物理学研究所において、1950年から3年間、ボーアとともに、レインウォーターが発表した原子核内の構造に関する理論を検証するための実験を行った。その結果、原子核内の核子が集団を形成して、互いに作用しあいながら原子核に変形をもたらすという原子核構造の集団運動模型を提唱した。1975年に「原子核の集団運動模型の発見と原子核構造理論の発展」により、ボーア、レインウォーターとともにノーベル物理学賞を受賞した。

[編集部]

『A・ボーア、B・R・モッテルソン著、有馬朗人他訳『原子核構造』第1・第2(1979、1980・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モッテルソン」の意味・わかりやすい解説

モッテルソン
Mottelson, Ben Roy

[生]1926.7.9. シカゴ
[没]2022.5.13.
ベン・ロイ・モッテルソン。アメリカ合衆国生まれのデンマークの物理学者。核子の運動が原子核を変形させることを実験で証明するなど,原子核の集団運動理論を完成し,1975年ジェームズ・レインウォーター,オーゲ・N.ボーアとともにノーベル物理学賞(→ノーベル賞)受賞した。
1947年にパーデュー大学を卒業後,ハーバード大学でジュリアン・シュウィンガーの指導を受けて 1950年に理論物理学の博士号を取得。デンマークに渡り,コペンハーゲン大学理論物理学研究所(のちのニールス・ボーア研究所)で原子核の集団運動理論を研究し始める。1953年ヨーロッパ原子核研究機関 CERNの理論研究グループに参加,1957年北欧理論物理学研究所 NORDITAの設立時に教授に就任。ここで原子核理論に取り組み,ボーアとともに完成させた。主著にボーアと共著の『原子核構造』(1969)。

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百科事典マイペディア 「モッテルソン」の意味・わかりやすい解説

モッテルソン

米国生れのデンマークの物理学者。1947年パデュー大学卒。1950年ハーバード大学で博士号を取得。ニールス・ボーア研究所,CERN等をへて,1957年北欧理論原子物理研究所教授。1971年デンマークに帰化。1953年A.ボーアと協力して原子核の集団模型を提唱し発展させる。1975年ボーア,レインウォーターとともにノーベル物理学賞。

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