centralized traffic controlの略で列車集中制御(装置)ともいう。列車を運転する区間の各停車場の転てつ器および信号を一つの制御所で集中して制御し,かつ列車の運転状態を監視することおよびそのための装置の総称。CTCの歴史は古く,1927年アメリカのニューヨーク・セントラル鉄道で実施されたのが始まりで,日本では,54年名古屋鉄道で初めて使用された。当初,CTC装置はリレー式であったが,64年東海道新幹線で初めてトランジスター論理回路が採用され,さらに近年はコンピューターを用いた装置も開発されて東北・上越新幹線などで採用されている。中央制御所で進路を構成するため制御盤を操作すると,中央装置から現場の関係機器を制御する信号が制御回線を介して駅装置へ伝送され,駅装置では中央からの制御信号を解読し,継電連動装置を通じて転てつ器や信号機を制御する。一方,制御された機器の新しい状態,列車の位置などの情報は駅装置に集められ,表示回線を介して中央装置へ送信され,各種の表示装置に表示される。CTCは,線区内の状況の一括監視による運転業務の近代化,ならびに駅要員の縮小を目的として,その設備が促進されている。また,新幹線では新幹線運転管理システム(COMTRAC)と結合し,コンピューターによるより高度で総合的な列車運転管理を行っている。
→鉄道
執筆者:結城 淳一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…この信号は先行列車との間隔に応じて表示され,列車の速度が表示速度を超えると,ATCにより自動的にブレーキがかかるようになっている。列車の運転の制御や監視は東京の総合指令所で行われ,ここにCTC装置を設けて列車の位置や列車番号を示す表示盤で常時列車の運転状況を監視するとともに,列車の運転条件(各駅の発着時刻,発着番線,列車順序)を記憶しているコンピューターと連動させて列車の進路制御,運転整理,指令伝達などを行っており,このシステムを新幹線列車運転管理システム(COMTRAC(コムトラツク))と呼んでいる。このほか,要所要所に設置された地震,風雨などの検知装置からのデータは,直接中央または管理局の指令所に伝達されるようになっており,異常が発生した場合は即座に運転規制ができるシステムとなっている。…
…この運転保安設備には,列車の運転間隔を確保するための閉塞装置・信号装置,停車場における進路を確保するための連動装置,また災害などの場合の運転線路の異常を検知し列車を防護するための各種警報装置などがあり,さらには,信号装置などの地上設備と列車とを有機的に結びつけ列車運転の安全を図るATS,ATC,ATOなどがある。これらに加えて,近代化設備としてのCTC,さらにはARC,PRCなどがあり,これらも広い意味で保安設備の範疇に入れられている。
[ATS,ATC,ATO]
列車運転の安全を確保するための保安設備は,従来から個々に改良が行われ,機械の果たす分野が徐々に拡大されてきた。…
※「CTC」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加