アメリカ合衆国の政府機関。アメリカ食品医薬品局と訳される。アメリカ保健・福祉省に属し、食品、食品添加物、化粧品、タバコ、玩具、医薬品、生物製剤、医療機器、動物用医薬品、飼料など1兆ドルを超える製品の品質、衛生管理、宣伝広告などについての規制・認可権限をもち、違反の取締りを行っている。2013年時点で、職員は科学者、調査官、査察官ら約1万5000人おり、全米160以上の都市で規制、監督、調査、検査にあたっている。年間予算は約3500億円。医薬品評価・研究センター、食品安全・応用栄養センター、動物用医薬品センター、国立毒性研究センター、医療機器・放射線保健センター、タバコセンターなどの機関をもつ。2011年に成立した食品安全強化法により、食品のリコール発令、輸入食品の監督など権限はさらに強化された。2005年には、日本で承認された抗悪性腫瘍(しゅよう)薬イレッサの新規患者への投与を副作用の危険があるとしていち早く禁止したほか、2013年に心臓発作や脳卒中の一因となるとしてトランス脂肪酸の使用を禁じ、ペットフードの安全規制にも乗り出している。
アメリカの食品・薬品の安全管理の歴史は古く、1848年には輸入薬の検査を開始し、大統領リンカーンがアメリカ農務省内に食品・医薬品の安全管理を行う化学課を設けたのがFDAの前身とされる。その後、1906年にアメリカ各州で流通する食品・医薬品の取締り権限を農務省に与える連邦食品・医薬品法(ワイリー法)が成立し、1927年にはアメリカ農務省化学局が「食品・医薬品・農薬局」となり、1930年に現在の名称となった。1940年には農務省から新設の連邦安全保障省へと移管・独立した。インスリンやペニシリンに対する国家検定の導入、工場への立ち入り査察権の確立、食品添加物・色素添加物の規制などにも実績をあげており、世界の食品・医薬品の安全規制や消費者保護行政に大きな影響を与えている。
[編集部]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
(2012-10-31)
…薬のある種の副作用については,世界保健機関(WHO)を中心に国際協力体制がつくられている。
【GMPからICHまで】
アメリカ食品医療品局(FDA)は,1963年,GMP(Good Manufacturing Practiceの略。〈医薬品の製造と品質管理に関する基準〉)を制度化した。…
※「FDA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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