PHS(読み)ピーエッチエス

デジタル大辞泉 「PHS」の意味・読み・例文・類語

ピー‐エッチ‐エス【PHS】[personal handyphone system]

personal handyphone system携帯電話サービスの一。屋内用コードレスホン技術もとに開発された。通常の携帯電話に比べて電波が弱いため、基地局多数設置するマイクロセル方式をとる。また、デジタルデータの高速通信に優れるという特徴がある。ピッチ
[補説]平成7年(1995)サービス開始。音質がよいこと、通話料が比較的安いことなどから若年層を中心に普及したが、携帯電話の技術向上・サービス多様化スマートホンの普及などにより利用者が減少。令和5年(2023)サービス終了。

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共同通信ニュース用語解説 「PHS」の解説

PHS

携帯電話の設備や仕組みを簡略化したようなつくりで、簡易型携帯電話と呼ばれる。本格的な商用サービスの開始は1995年。携帯電話に比べ、通話料金が安いことから若い世代を中心に人気を呼び、契約者数はピークの97年に700万件を超えた。その後、携帯電話の機能向上に押され、一時370万件を割り込んだ。ウィルコムが2010年に始めた国内通話の定額プランが奏功し、14年3月末には554万件まで回復した。

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精選版 日本国語大辞典 「PHS」の意味・読み・例文・類語

ピー‐エッチ‐エス【PHS】

  1. 〘 名詞 〙 ( 洋語personal handyphone system の略 ) 携帯電話サービスの一つ。無線の基地局が低コストなので料金が通常の携帯電話より安く、デジタル方式なので高速のコンピュータ通信にも利用できる。ピッチ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「PHS」の意味・わかりやすい解説

PHS
ぴーえいちえす

簡易型携帯電話のこと。personal handyphone systemの略。デジタル方式のコードレス電話で、アナログ式の家庭用コードレス電話より使用範囲は広く、盗聴されにくい。PHSの特徴は、使用周波数が1.9ギガヘルツ帯であるために、携帯電話や自動車電話の0.8、1.5ギガヘルツに比べて高品質の情報伝送ができることである。一方、使用できる範囲が半径100~200メートル以内と狭いため、駅ビル、電話ボックス、電柱などに多くの中継局が必要であるが、中継局は小規模ですむためビル内、地下街にも設置できる。

 PHSは、コードレス電話を屋外でも使用するという発想から、イギリスのテレポイント・システムを参考に日本で規格化した電話システムで、1995年(平成7)から日本でサービスを開始したものである。高速移動体向きでは無かったものの、NTTの固定電話網をそのまま利用でき安価であったので、急速に普及して1997年には日本で700万件の加入者を数えた。その後携帯電話の情報伝送の高速化、料金の低廉化やサービスの多様化におされて、PHS事業者数、加入者数ともに減少したものの、2005年に衰退に歯止めがかかり、2011年時点での加入者数は410万件となっている。他方中国、タイ、ベトナムなどで普及が進み、世界での契約数は2005年に8000万件を超えた。2009年には伝送速度最高毎秒20メガビットの次世代PHSによる高速データ通信サービスが始まり、2011年にはソフトバンクが、PHS技術による携帯電話並みの伝送速度毎秒100メガビットのサービスを開始している。

[岩田倫典]

『石川温著『図解携帯電話業界ハンドブック』(2009・東洋経済新報社)』『谷口功著『図解入門よくわかる最新通信の基本と仕組み――通信技術の意味と役割を基礎から学ぶ 通信の常識』(2011・秀和システム)』

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百科事典マイペディア 「PHS」の意味・わかりやすい解説

PHS【ピーエッチエス】

personal handy phone systemの略。1995年7月から首都圏でサービスを開始したデジタル無線電話サービス。当初はPHPと略称した。携帯電話に比べて基地局が小電力で,電波の有効半径は約100m程度である。また,電話器の送信出力を低く抑えて,小型,軽量化,長時間通話が可能なよう特徴づけられている。徒歩程度の移動速度でしか動作しないので,車や列車など,高速移動しているものからの通話はできない。それらの弱点により,1997年をピークに契約台数は減少し,PHS事業から撤退する企業も出てきたため,業界の再編成が急務となっている。
→関連項目移動通信電話

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IT用語がわかる辞典 「PHS」の解説

ピーエイチエス【PHS】

移動体通信機器のひとつ。基地局の設備や通信仕様を簡略化した簡易型の携帯電話。日本では法令上、携帯電話とは区別される。平成7年(1995)に通話サービス開始。携帯電話に比べ本体価格・通話料ともに安価なため都市部を中心に普及したが、携帯電話の低価格化が進み、同9年(1997)をピークに加入者数が減少。以降は高速データ通信を主とするサービスが提供されている。◇「personal handyphone system」の頭文字から。「ピーエッチエス」ともいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「PHS」の意味・わかりやすい解説

PHS
ピーエイチエス

「パーソナル・ハンディホン・システム」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のPHSの言及

【通信機工業】より

…ともに,1980年代後半においては,LANに代表される企業内通信網の増設,90年代に入るとインターネットの急速な普及などに支えられ,国内生産額は,ほぼ一貫して拡大を続けている。主要な無線通信装置は,自動車・携帯電話,PHS端末,無線呼出し装置(ページャー)といった移動体通信の端末であり,近年は自動車・携帯電話の伸びが著しい。自動車・携帯電話サービスは,1979年に東京23区で始まった後,(1)サービス地域が全国に拡大したこと,(2)新規事業者の相次ぐ参入によって,事業者間の競争が激しくなり,サービス料金が低下したこと,(3)端末も小型軽量化や低価格化が進んだこと,などを主因として,加入者が急増した。…

※「PHS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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