携帯電話の設備や仕組みを簡略化したようなつくりで、簡易型携帯電話と呼ばれる。本格的な商用サービスの開始は1995年。携帯電話に比べ、通話料金が安いことから若い世代を中心に人気を呼び、契約者数はピークの97年に700万件を超えた。その後、携帯電話の機能向上に押され、一時370万件を割り込んだ。ウィルコムが2010年に始めた国内通話の定額プランが奏功し、14年3月末には554万件まで回復した。
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簡易型携帯電話のこと。personal handyphone systemの略。デジタル方式のコードレス電話で、アナログ式の家庭用コードレス電話より使用範囲は広く、盗聴されにくい。PHSの特徴は、使用周波数が1.9ギガヘルツ帯であるために、携帯電話や自動車電話の0.8、1.5ギガヘルツに比べて高品質の情報伝送ができることである。一方、使用できる範囲が半径100~200メートル以内と狭いため、駅ビル、電話ボックス、電柱などに多くの中継局が必要であるが、中継局は小規模ですむためビル内、地下街にも設置できる。
PHSは、コードレス電話を屋外でも使用するという発想から、イギリスのテレポイント・システムを参考に日本で規格化した電話システムで、1995年(平成7)から日本でサービスを開始したものである。高速移動体向きでは無かったものの、NTTの固定電話網をそのまま利用でき安価であったので、急速に普及して1997年には日本で700万件の加入者を数えた。その後携帯電話の情報伝送の高速化、料金の低廉化やサービスの多様化におされて、PHS事業者数、加入者数ともに減少したものの、2005年に衰退に歯止めがかかり、2011年時点での加入者数は410万件となっている。他方中国、タイ、ベトナムなどで普及が進み、世界での契約数は2005年に8000万件を超えた。2009年には伝送速度最高毎秒20メガビットの次世代PHSによる高速データ通信サービスが始まり、2011年にはソフトバンクが、PHS技術による携帯電話並みの伝送速度毎秒100メガビットのサービスを開始している。
[岩田倫典]
『石川温著『図解携帯電話業界ハンドブック』(2009・東洋経済新報社)』▽『谷口功著『図解入門よくわかる最新通信の基本と仕組み――通信技術の意味と役割を基礎から学ぶ 通信の常識』(2011・秀和システム)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ともに,1980年代後半においては,LANに代表される企業内通信網の増設,90年代に入るとインターネットの急速な普及などに支えられ,国内生産額は,ほぼ一貫して拡大を続けている。主要な無線通信装置は,自動車・携帯電話,PHS端末,無線呼出し装置(ページャー)といった移動体通信の端末であり,近年は自動車・携帯電話の伸びが著しい。自動車・携帯電話サービスは,1979年に東京23区で始まった後,(1)サービス地域が全国に拡大したこと,(2)新規事業者の相次ぐ参入によって,事業者間の競争が激しくなり,サービス料金が低下したこと,(3)端末も小型軽量化や低価格化が進んだこと,などを主因として,加入者が急増した。…
※「PHS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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