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X理論・Y理論 エックスりろん・ワイりろんX theory and Y theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

X理論・Y理論
エックスりろん・ワイりろん
X theory and Y theory

D.マグレガーが示した,企業における人間の能力開発についての対立的考え方。「X理論」とは,普通の人間は生れながら仕事が嫌いで,強制されたり,統制されたり,命令されたりしなければ,企業目標を達成するために十分な力を出さず,命令されるほうを好み,責任を回避したがり,あまり野心ももたず,何よりもまず安全を望んでいるとみなす伝統的見解をさす。これに対して「Y理論」は,仕事で心身を使うのは人間の本性であって,これは遊びや休憩の場合と同じであり,外から統制したりおどしたりしなくても,人は自分が進んで身をゆだねた目標のためには自発的に働くものであり,条件次第では責任を引受けるばかりか,みずから進んで責任をとろうとし,企業内の問題を解決しようと比較的高度の想像力を駆使し,創意工夫をこらす能力をたいていの人はそなえているとみなすのである。すなわちX理論は管理の際に成員の労働の動機づけの手段として経済的な報酬を主とし,彼らを隷属的な立場におくという考え方をとるのに対し,Y理論では組織の構成員の独立性を認め,その自発性を有効に利用することを提唱する。そして業績向上,動機づけ,能力開発などにはY理論的思考に基づく諸施策が有効なことを示唆している。

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

X理論・Y理論

アメリカの経営学者マクレガーによって提唱された、管理行動を考える際の人間観。 X理論は、人は生まれつき怠け者で、厳しい賞罰で統制しなければ働こうとしないという前提に立つ。それに対しY理論は、人は条件次第で目標達成に努力し、自ら進んで責任をとろうとするという前提に立つ。 マクレガーは、人を成長させ、より高い目標を達成するためにはY理論を前提とすることが必要と唱えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

X理論・Y理論
えっくすりろんわいりろん
X theory and Y theory

アメリカの行動科学者D・マグレガーが経営管理について名づけたもので、X理論とは、伝統的経営管理が依拠する古い人間観とそれを前提にした諸種のシステムをいい、Y理論は、それに対照される新しい人間観とシステムをいう。
 X理論では、(1)普通の人間は生まれながら仕事が嫌いで、できれば仕事はしたくないと思っている、(2)このため、人間は強制されたり、統制されたり、命令されたり、処罰すると脅されなければ、目標達成のために十分な力を出さない、などといった人間観が前提となっている。この人間観にたつと、厳格な監督、金銭刺激、ノルマ(標準作業量)の賦課、規則の多用による管理方式がとられることになる。
 Y理論では、(1)仕事をするのは人間の本性であるが、条件しだいで、満足したり嫌悪したりする、(2)人間は自分から進んで身をゆだねた目標には自発的に努力する、(3)献身的に努力するか否かは、達成して得る報酬しだいである、(4)人間は条件しだいで責任を引き受ける、(5)人間は問題解決能力をもっている、(6)人間の能力は組織内で一部しか活用されていない、などといった人間観が前提となっている。この人間観にたった場合は、能力を引き出す指導型の監督、多面的報酬、参加やコミュニケーションを重視する管理方式がとられる。[森本三男]
『D・マグレガー著、高橋達男訳『企業の人間的側面』(1966・産能大学出版部)』

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