2000年代生まれを中心に、1990年代後半から2010年代前半までに生まれた世代をさす。カナダのダグラス・クープランドDouglas Coupland(1961― )のベストセラー小説『ジェネレーションXGeneration X』に登場するX世代(1960年代半ば~1970年代半ば生まれ)や、次のY世代(1980~1990年代半ば生まれ)に続く世代という意味で、Z世代とよばれる。2000年代にアメリカで使われ始めた世代分類で、世界に広がった。Z世代は、生まれたときにはインターネットが広く普及しており、成長過程でスマートフォンやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などが次々と登場した「ネオ・デジタルネイティブ世代」である。技術革新に敏感で、抵抗感なく情報発信・収集ができ、SDGs、地球環境、社会貢献、芸術などへの関心が高く、リーマン・ショックとその後の不況期を経験したため、金銭感覚や職業観が保守的であるという特徴をもつとされる。2020年時点で、世界の人口の約3割をZ世代が占めており、消費動向や政治・投票行動などで社会に与える影響は大きいとみられている。日本では2008年(平成20)、消費社会研究者の三浦展(みうらあつし)(1958― )が著書『日本溶解論』のなかでZ世代ということばを使い、2021年のユーキャン新語・流行語大賞のトップ10にZ世代が選ばれた。なお、Z世代は、ビデオ会議システムのズームZoomを多用する傾向があることから「ズーマーズZoomers」とよばれたり、「スマホ世代」(「ケータイ世代」の次)といわれたりすることもある。
[矢野 武 2022年5月20日]
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