バス高速輸送システムのことで、英語の「Bus Rapid Transit」を略して「BRT」と呼ばれる。バスを専用道や優先レーンで走らせる仕組みで、渋滞に巻き込まれないため定時運行をしやすいのが強み。バスのため、一般道に乗り入れられるのも利点。線路を敷くなど大掛かりな設備が必要な鉄道と比べ、導入や保守管理にかかる経費を低減できる。世界の都市部で運転されており、東日本大震災で被災したJR東日本の気仙沼線と大船渡線の一部区間の復旧などで採用された。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
一般車両用の道路とくぎったバス専用レーンや完全に分離したバス専用道路を設けてバスを運行させる新交通システム。バス・ラピッド・トランジットBus Rapid Transitの略で、バス高速輸送システムともいう。従来の路線バスのように交通渋滞の影響を受けないため、定時運行ができる。また、専用道路を走るため、大型の車体を走行させることも可能で、特大車や2連以上に車体をつなげた連接バス(連節バスとも)を導入することで、ある程度の輸送力の拡大も見込める。BRTは1970年代にブラジルのクリチバ市で誕生した。鉄道と比べて、導入や維持のコストを抑えられるメリットがあることから、世界各地で都市部の基幹交通システムとして採用されている。一方、日本では導入事例が少なく、BRTに似た事例で国内初とされるのは、1944年(昭和19)に廃止された福島県の旧国鉄白棚(はくほう)線の軌道跡を1957年から専用バス道路として利用した例である。以降、名古屋市で道路中央部に高架のバス専用レーンと停留所を設けた路線バス(名古屋ガイドウェイバス、2001年開業。高架区間以外は一般道を走行)や、茨城県で鹿島鉄道線の廃線跡地を利用してバス専用道路を整備した「かしてつバス(2007年開業)」などがある。
2011年(平成23)3月の東日本大震災で壊滅的な被害を受けたJR気仙沼(けせんぬま)線では、不通になっていた気仙沼―柳津(やないづ)間の約55キロメートルでBRTを採用し、2012年8月に運行を開始。また、JR大船渡(おおふなと)線も不通区間の気仙沼―盛(さかり)間約44キロメートルにおいて2013年3月からBRTの運行を開始した。2020年(令和2)4月、両線のBRT区間の鉄道事業は廃止され、気仙沼線BRT、大船渡線BRTとして、BRTの運行が本格化した。
[編集部]
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