アニメーションの画像形成に、何らかの形でコンピュータ・グラフィクス技術を用いるアニメーション技法、およびそれによってつくられた作品、あるいはそれらによるアニメーションのサブジャンルをさす。コンピュータ・アニメーション(computer animation)、デジタル・アニメーション(digital animation)、CGI(computer generated imagery、コンピュータ生成映像)などの語も用いられる。一般的にCGアニメーションは3DCG(3次元CG)アニメーションをさすことが多いが、2DCG(2次元CG)アニメーションも含まれる。また広義には手描きの絵などを基に、コンピュータで加工や彩色などを施したものや、カメラで撮影した実写映像との合成、SFX(special effects、特殊効果)・VFX(visual effects、視覚効果)を付加するものなども含まれる。
CGアニメーションは、1940年代アメリカの軍用フライト・シミュレーション技術開発に端を発するが、その後大きく発展し、軍用・民生用に限らず、また航空分野に限らず、建築や科学的可視化(scientific visualization)、ビデオゲームなど、科学技術・産業・報道・広告・教育・娯楽一般に広く活用されている。芸術表現としてのCGアニメーションは、アメリカのジョン・ウィットニーJohn Whitney(1917―1995)の『パーミュテーションズ』(1968)ほか一連の作品や、ピーター・フォルデスPeter Foldes(1924―1977)の『飢餓』(1974)など、1960~1970年代の先駆的な業績の後、1970年代のマイクロ・エレクトロニクス革命を背景として、大手製作会社から個人作家・学生に至るまで、数多くの作品がつくられるようになった。『トロン』(1982)を嚆矢(こうし)の一つとして、劇場用長編映画の世界でも広がりをみせ、『ジュラシック・パーク』(1993)では伝統的な人形アニメーションにかわってCGアニーションで恐竜を表現し、1995年には初のフル3DCG劇場長編アニメーション『トイ・ストーリー』が公開され、いずれも大ヒットした。また2001年公開の『ファイナルファンタジー』は写実的な3DCGによるデジタル俳優(CGによってつくられた、生身の俳優にかわるような見かけや動きをもつキャラクター)の可能性を示した。
映画やテレビの商業アニメーションの多くは、長らくセル・アニメーション(cel animation)の技法で制作されていたが、1990年代後半以降は急速にデジタル化が進み、現在では伝統的な2D表現のアニメーションの大半が、手描きの原画以降の彩色などの工程をコンピュータで仕上げている。コンピュータやCGの活用による効率化、費用対効果の向上の一方で、2Dの手描きアニメーションと3DCGの融合も進み、違和感の少ない新しい表現が開拓されている。日本では伝統的な2D表現が優勢を保っているが、世界的には3D化が趨勢を占め、一方でアニメーション制作のデジタル化により、世界の至るところで劇場用長編アニメーション映画が多数つくられる状況が訪れている。
[小出正志]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新