CGIL(読み)チジル

デジタル大辞泉 「CGIL」の意味・読み・例文・類語

チジル【CGIL】[Confederazione Generale Italiana del Lavoro]

《〈イタリアConfederazione Generale Italiana del Lavoro》イタリア労働総同盟。イタリア最大の労働組合中央組織(ナショナルセンター)。1944年設立。1950年にCISLチズルイタリア労働者組合総同盟)とUILウイル(イタリア労働者同盟)が分離。この三者が三大ナショナルセンターとよばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「CGIL」の意味・わかりやすい解説

CGIL (シージーアイエル)

Confederazione Generale Italiana del Lavoroの略。イタリア労働総同盟と訳される。現地音ではチージーイーエッレ。イタリア最大のナショナルセンターで,CISL(イタリア労働者組合総同盟),UIL(イタリア労働総連合)とともに三大労組とよばれる。CGILの前身CGLが設立されたのは1906年で,20万人が加わったCGL内では改良派が多数を占め,革命的サンディカリストらがこれに対立した。11年のリビア戦争後,社会党の指導権は改良派から左派に移るが,CGLにおける改良派の地位は安定していた。第1次大戦に際して社会党・CGLは祖国擁護論に走らずに中立の立場を保持した。戦後の労働運動の高揚のなかで組織は飛躍的に拡大して加盟人員は220万人に達する。社会党では共産主義派が力を伸ばして共産党として分離するが,CGLにおける改良派の地位はなお安定していた。しかしファシズムの力が増大するとともにCGLの勢力も激減(1922年40万人),ファシズム独裁確立後の27年自発的に解散した。

 CGILが設立されるのは第2次大戦末期の44年で,社会党・共産党・キリスト教民主党系トップ指導者の合意に基づいてである。CGIL内においては抵抗闘争における大衆指導の力量を反映して共産党系の力が圧倒的であり,書記長は今日まで共産党系が掌握している。初代書記長ビットリオGiuseppe di Vittorio(1892-1957)は,共産党中央委員であり,また世界労連創立に際し副委員長,のち委員長に就任した。戦後の高揚期が過ぎると内部対立が激化し,48年以降カトリック系,社民系がぬけ,それぞれCISL,UILを結成した。CGILも労働プランなどのユニークな活動を展開したが,1940年代末から50年代にかけては組合間の対立を利用して経営者が労働組合を操作することもできた。しかし50年代末から労組間の統一闘争が徐々に回復し,72年には三大労組が連合federationを形成した。1960年代末の青年・労働者の反乱に三大労組はまれな柔軟さで対応し,エネルギーをみずからの組織内に吸収しえた。生産現場での労働者からの規制が強まり,政府もまた労組の同意を取りつけずには経済政策を発動することができなくなった。しかし同時にイタリア経済の危機にどう対処するかという新しい問題が労組に課され,三大労組は78年の〈EUR(エウル)の転換〉(柔軟な路線への転換)など新しい方向を模索している。CISL,UIL(現在は社会・社民・共和系の鼎立)はかねてより国際自由労連に加盟しているが,CGIL(共・社系)も世界労連を離れ80年代中ごろに国際自由労連に加盟した。傘下人員はCGIL522万,CISL365万,UIL160万である(1990)。
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百科事典マイペディア 「CGIL」の意味・わかりやすい解説

CGIL【シージーアイエール】

イタリア労働総同盟

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「CGIL」の意味・わかりやすい解説

CGIL
ちじる

イタリア労働総同盟

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世界大百科事典(旧版)内のCGILの言及

【CGIL】より

…イタリア最大のナショナルセンターで,CISL(イタリア労働者組合総同盟),UIL(イタリア労働総連合)とともに三大労組とよばれる。CGILの前身CGLが設立されたのは1906年で,20万人が加わったCGL内では改良派が多数を占め,革命的サンディカリストらがこれに対立した。11年のリビア戦争後,社会党の指導権は改良派から左派に移るが,CGLにおける改良派の地位は安定していた。…

【労働会議所】より

…しかし21年以降,ファシストによる襲撃や事務所の破壊をうけて弱体となり,26年ムッソリーニ政府に非合法化された。レジスタンス闘争期の44年に再建され,第2次大戦後は労働総同盟(CGIL)に加入する地域単位の組合としての機能を果たしている。【北原 敦】。…

【労働組合】より

…これにはフランス,イタリア,スペインなど南西ヨーロッパ諸国の組合が該当する。ナショナル・センターがイデオロギーにより分裂しており(たとえばフランスでは労働総同盟CGT(セージエーテー),労働総同盟・労働者の力CGT‐FO(セージエーテーエフオー),民主労働連盟CFDT(セーエフデーテー),イタリアでは労働総同盟CGIL,労働者組合総同盟CISL,労働総連合UILのように),共産主義を志向する組合が有力な地位を占めている(たとえばCGTやCGILは世界労連に加盟している)。これらの上部団体は産業別組織原則を方針として掲げているが(フランスでは1906年のアミアン憲章ですでに産業別組織原則がとられた),実際には傘下に古い手工的熟練労働者metierタイプの組合も残っており,産業別の統一はそれほど進んでいない(ただしイタリアでは1973年以降,三大労組の間に共闘体制が組まれ組織の統一への動きがみられる)。…

※「CGIL」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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