IVR(読み)あいぶいあーる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「IVR」の意味・わかりやすい解説

IVR
あいぶいあーる

CT、X線透視、超音波、MRIなど医療画像(画像診断機器の画像)をガイドとして行う治療・診断。インターベンショナル・ラジオロジーinterventional radiologyの略称。画像下治療ともよばれる。画像ガイド下で体内を透見しながら、体外からカテーテルや針を用いて目的とする臓器に到達させ治療や診断を行う。体表の開口部はわずかであり、外科的手技に比較して侵襲性が低く、患者の負担が少ない。がんや動脈瘤(りゅう)の治療、血管狭窄(きょうさく)の治療、外傷による出血症例の救命など幅広く用いられる。

 生検は体内深部の病変を針で採取して病理診断を行う。大腿(だいたい)動脈や上腕動脈などから血管内にカテーテルを挿入して行う血管系手技と、体外から直接針を刺して行う非血管系手技がある。CTやX線透視をガイドとする場合は放射線による被曝(ひばく)が避けられないが、機器の進歩や手技のくふうにより被曝を低減させて行われている。

桐生 茂 2021年8月20日]

『栗林幸夫他編『IVRマニュアル』第2版(2011・医学書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android