画像診断(読み)がぞうしんだん(英語表記)image processing; IP

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「画像診断」の解説

画像診断
がぞうしんだん
image processing; IP

患者の身体内情報を種々の方法を用いて肉眼的に画像としてとらえる診断法。電離放射線を用いるX線診断と,放射線核種 (ラジオアイソトープ) を用いる核医学診断とからなる放射線診断に,近年の技術的な進歩により,X線コンピュータ断層撮影法が加わった。さらに電離放射線を用いない超音波断層法 (ultrasonography) ,磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging; MRI) ,陽電子 (ポジトロン) の消滅放射線による横断法 (positron emission tomography; PET) などの新たな診断方法も確立されつつある。これらを総称して,画像診断と呼ぶ。

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PET検査用語集「画像診断」の解説

画像診断

体の内部を目に見える画像として映しだして見る検査。一般的なレントゲン(X線検査)をはじめ、マンモグラフィ(乳房専用X線撮影)、CT検査(コン ピュータ断層撮影)、MRI検査(磁気共鳴画像撮影法)、RI検査(シンチグラフィー)、超音波検査(エコー検査)、PET検査などがあります。

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デジタル大辞泉「画像診断」の解説

がぞう‐しんだん〔グワザウ‐〕【画像診断】

X線撮影のように体内を画像化して診断する方法。コンピューター断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法MRI)、機能的核磁気共鳴断層画像法(fMRI)、陽電子放射断層撮影法PET)、超音波診断法などによる診断。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「画像診断」の解説

画像診断
がぞうしんだん

体内の様子を医療機器で画像化して診断を行うこと。放射線診断ともよぶ。ドイツの物理学者ウィルヘルム・レントゲンによるX線の発見を起源として、初期よりX線による人体の画像化が行われていた。レントゲンはこの功績によりノーベル物理学賞を受賞した。X線による体内を撮影する一般撮影に引き続き、1920年代に造影剤を用いた脳血管撮影、1930年代に造影剤を経口的に投与する消化管造影や乳腺(せん)の詳細な観察を行う乳腺撮影が開発された。

 X線撮影は重なりのある画像であるが、1970年代にX線を発生させるX線管球と検出器を周回させて撮影するCT(コンピュータ断層撮影)の出現により、体の断層像が得られるようになった。CTの技術開発に貢献したゴッドフリー・ハウンズフィールドはノーベル医学生理学賞を受賞した。CTは撮影装置や撮影法の進歩により撮影時間が短縮され、高速に全身の画像を得られるようになった。またCTはX線による被曝(ひばく)が比較的多い検査であるが、逐次近似法やディープラーニングなどの画像再構成法の進歩により低い放射線量でも診断が行える画質を維持した画像が得られる技術が開発されている。

 MRI(磁気共鳴映像法)は核磁気共鳴現象を利用した撮影法で、CTと同様に断層像が得られるが、画像における組織コントラストがCTよりも高く、一般に病変の検出が良好とされている。ポール・クリスチャン・ラウターバーとピーター・マンスフィールドは、MRI開発に貢献してノーベル医学生理学賞を受賞した。MRIはX線を使用しないので被曝がない。強い磁場が必要なため、MRI装置は臨床に用いられる画像診断機器のなかでもとくに大がかりである。撮影時間はCTよりも長いが、データ収集法や画像再構成法の進歩により短縮されてきた。形態的情報に加え、急性期脳梗塞(のうこうそく)の検出に用いられる拡散強調画像では生体内の拡散現象、脳機能の解析に用いられるfMRI(functional MRI)では脳皮質機能の画像化が可能である。

 放射性同位体を用いる核医学は医学、物理学、化学など複数の分野が関与する分野である。ポール・ビラールPaul Villard(1860―1934)によるγ(ガンマ)線の発見を起源として、ノーベル化学賞を受賞したジョージ・デ・ヘベシーによるトレーサー(対象となる物質を追跡するもの)としての同位体の研究、ノーベル物理学賞を受賞したアーネスト・ローレンスによるサイクロトロンの開発などを経て、同位体の生化学反応に関する知見の蓄積や画像化の進歩により核医学が発展した。X線を用いる検査はおもに形態を画像化するが、核医学検査では投与された放射性医薬品の分布の観察により生体内の機能や代謝を画像化する。CTと同様の断層像を撮影するSPECT(スペクト)(Single Photon Emission Computed Tomography:単一光子放射断層撮影法)は1980年代より臨床で用いられるようになり、体内の深部の情報も得られるようになった。現在、核医学検査の大きな柱の一つであるPET(ペット)(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)は1960年代から開発され、1990年代以降に臨床で広く使われるようになった。PETは画像分解能が低いが、PETとCTの融合画像であるPET-CTにより、詳細な解剖学的情報が診断において利用できるようになった。

 近年の機器や撮影法の進歩により各画像診断において症例あたりの画像数が増加した。以前はフィルムで画像は出力されていたため、大量の画像を扱うのには不向きであった。1990年代より登場したPACS(Picture Archiving and Communication System:医療用画像管理システム)により、サーバーに蓄積された大量の画像がネットワークを介してモニターに表示され、詳細かつ効率的な診断ができるようになった。また複数の異なる検査法の画像を並べて総合的に診断することも容易になった。

 病変を検出するためにCAD(computer-aided diagnosis:コンピュータ支援診断)が1990年代より実用化している。アメリカでは2001年にマンモグラフィCADが保険の適応となり、臨床(乳腺撮影)においてCADによる病変検出が画像診断の補助として用いられている。近年はディープラーニングを用いたCADが出現して、より正確な病変検出や診断補助を行うことが期待されており、CTの肺結節やMRIの動脈瘤(りゅう)などの検出において実用化されている。

[桐生 茂 2021年8月20日]

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