KYB(読み)けーわいびー(英語表記)KYB Corporation

共同通信ニュース用語解説 「KYB」の解説

KYB

東京証券取引所第1部上場の油圧機器メーカー。創業者が1919年に開設した研究所が発祥で、35年に株式会社になった。2015年10月に「カヤバ工業」から「KYB」に正式に社名変更した。油圧車体振動を抑える自動車二輪車向けの部品主力。免震・制振用オイルダンパーでは国内トップシェアを持つ。18年3月期の連結売上高は3923億円。18年3月末のグループ従業員数は約1万4800人。筆頭株主トヨタ自動車で、出資比率は約7・7%。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「KYB」の意味・わかりやすい解説

KYB(株)
けーわいびー
KYB Corporation

自動車や鉄道などの振動を油圧で抑える油圧機器の大手メーカー。自動車や新幹線のほか、航空機、東京スカイツリー、関西国際空港、都道府県庁舎などに部品・装置を供給しており、主力の自動車向け緩衝装置(ショックアブソーバー)では国内シェアの5割超を握る。

 1919年(大正8)、発明家の萱場資郎(かやばしろう)(1898―1974)が創業した萱場発明研究所が前身。1935年(昭和10)に萱場製作所として創立し、社是として「独創開発の精神」を掲げる。戦時中は旧軍との関係が深く、零戦(ぜろせん)の主脚などを開発・製造した。1985年(昭和60)に社名をカヤバ工業に変え、2015年(平成27)10月にはブランド名として普及していた「KYB」を社名とした(2022年、通称社名に「カヤバ株式会社」を採用)。本社は東京都港区浜松町(はままつちょう)。2022年(令和4)3月時点で、資本金276億4760万円、連結売上高3884億円、従業員数1万4472人。2018年、KYBとその子会社が少なくとも過去15年にわたって、地震の揺れを抑えるダンパー(免震・制振装置)の検査データを改竄(かいざん)し、改竄された装置が全国の庁舎、病院商業施設など1000か所以上で使用されていたことが発覚。公共施設の安全性や日本のものづくりの信頼性を揺るがす社会問題に発展した。

[矢野 武 2019年4月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「KYB」の意味・わかりやすい解説

KYB
ケイワイビー
KYB Corporation

油圧機器大手の自動車部品メーカー。1919年萱場発明研究所を開設。1927年個人経営の萱場製作所を設立,1935年に株式会社に改組。1948年企業再建整備法に基づく第二会社として萱場工業を設立。油圧機器の総合メーカーとなった。1985年カヤバ工業に変更。2005年通称社名として KYBを採用。2015年現社名に変更。二輪・四輪車向け油圧緩衝器,産業・建設機械向け油圧機器が主力。トヨタ自動車日立建機などを大株主にもつ。舞台システムや免震・制震装置なども展開している。

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