高さ634メートル、総重量約3万6千トンの自立式電波塔。東武鉄道が東京都墨田区の貨物操車場跡地(約3万7千平方メートル)に建設し、2012年5月22日に開業した。総事業費は650億円。東京タワーに代わる首都圏の電波塔として、NHKと民放キー局5社などが利用している。展望台は350メートルと450メートルの2カ所。夜間は薄青や江戸紫の光でライトアップされている。
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2012年(平成24)5月に、東京都墨田(すみだ)区に開業した電波塔。高さは東京タワーの2倍近い634メートル。完成時点で、自立式鉄塔としては高さ世界1位、人工建造物としてはドバイのブルジュ・ハリファ(828メートル、2010年完成)に次ぎ、世界2位である。超高層ビルが乱立する東京都心で、直進性の高い地上波デジタル放送などの電波をできるだけ障害なく送信する目的で建設された。NHKと在京民放キー局5社などが利用している。名称は一般公募で決められた。観光・商業施設「東京ソラマチ」や水族館、プラネタリウム、オフィスビルなどを併設しており、墨田区では年間552万人が来場すると予測していた。実際は開業前から建設状況がマスコミでたびたび取り上げられ、東京の新しい観光スポットとして人気をよび、開業後9か月で展望台(高さ350メートル)に500万人が来場。開業から1年半余りの2013年12月には来場者数が1000万人を超えた。
事業主体は東武鉄道の関連会社の東武タワースカイツリー株式会社。墨田区押上(おしあげ)・業平橋(なりひらばし)地区に2008年7月に着工し、2012年2月に竣工(しゅんこう)した。デザインは建築家の安藤忠雄と彫刻家の澄川喜一(すみかわきいち)(1931―2023)が監修。地上350メートル地点に展望台「天望デッキ」、450メートル地点には展望台「天望回廊」が設けられた。電波塔を含めた周辺施設は「東京スカイツリータウン」とよばれる。
1990年代後半に構想が浮上し、2003年、在京放送事業者各社が600メートルを超える新タワーの建設を求めて「在京6社新タワー推進プロジェクト」を立ち上げ、実現に向けて動き出した。墨田区のほか、さいたま新都心なども誘致に名のりをあげたが、2006年に墨田区に決まった。高さは、東京地区の旧国名である「武蔵(むさし)」の国にちなんだ634メートルとなった。
[編集部]
(大迫秀樹 フリー編集者 / 2010年)
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